オランダへ戻って来た日に・・・

オランダへ戻る日・・・大寒波が訪れていた日本。 東京は気持ちの良い快晴。 朝6時30分に起きて、ゴルフへ出掛ける父を見送り、
(母が私の起床時間に炊き上がるようにセットしておいてくれた)炊き立てご飯をいただいた後、
妹が、丁度出勤時間の夫を最寄り駅に送りがてら、私を青砥駅まで車で送ってくれました。
 
青砥駅から成田空港まで、
(本当は映画を見る前に読み終えたかった)「さゆり」の下巻を読んでいると、1時間もあっという間でした。

(映画「SAYURI」ですが・・・とっても良かったです! 
俳優陣の演技も素晴らしかったですし、
何より映像がそれはそれは美しくて・・・
海外ではきっと
日本のイメージアップとなることでしょう・・・
オランダで公開になったら、また見に行きたい
と思っています。)
 
飛行機は満席だったのですが、地上職員の皆様とパーサーのお計らいで何とかお席を(しかもビジネスクラスに!)いただき、「いつもどこかでどなたかにお世話になって・・・なんとありがたいことでしょう・・・」とつくづく感謝したのでした。
 
間もなく離陸・・・という時に、担当のオランダ人スチュワーデス(もう日本ではこう呼ばないそうですが、オランダでは普通にスチュワーデス・スチュワードと呼ばれています)が客室のチェックに回って来て、私の後ろの席におかけの日本人客に「お手荷物は、頭上の荷物入れか、前のお座席の下にお納め下さいね。」と(英語で)言っている声が聞こえ、
そしてスチュワーデスが通り過ぎた直後「どこに置いたって、いいじゃない、ね~ぇ」(乗客A)「ね~ぇ」(乗客B)という(日本語の)声・・・
「いいえ、お客様。 まず事故など起こらないとは思いますが、万が一の場合に、お手荷物がきちんと収納されていないと、事故の衝撃で宙に舞い、お客様にぶつかってお怪我をされるかもしれません。 お客様ご自身の安全の為なのですよ。」と、よっぽど振り返ってお伝えしようかと思いました。 (もしお隣にお掛けの方だったら、さりげなくお伝えしていたと思います・・・)
 
でも・・・お客様がそう思われるのもわからなくはありません。 
実際、何事もなければ、手荷物がどこに置いてあろうと問題ないのですから。 車のシートベルトと同様です。 何か起こった時に違ってくるのです。
私共は年に一度のフライト・セイフティー・トレーニング(機内で非常事態が発生した場合の対処法を訓練する)で、毎年毎年、様々な航空事故の検証ビデオを見せられますから、実際に事故を経験していなくても、事故が起きた際、機内で一体どんなことが起こるのかわかっています。 
ただ床に置いてあるだけの手荷物は、飛びます。 手に持っている物(ハンドバッグや雑誌類)も、何か起これば手から離れて、飛びます。 
小さな物でも、勢いよく飛んで来れば十分に凶器となります。 (例えば靴とか・・・)
でも、そんなことお客様はご存知ありませんものネ。 (ですから、乗務の時は、なるべくその理由もお話するように心がけています。)
皆様もお気を付け下さいネ。  
 
さて、離陸後は、窓際の席だったのでしばらく外を眺めていました。
以前は、大抵、太平洋へ向かって離陸し、太平洋上で旋回して新潟方面へ向かったので、お天気の良い日には最初に飛行機の右手に富士山が見え、旋回後、再び左手に富士山が見えたものですが、(いつからかわかりませんが)この頃は、最初から西へ向けて離陸するようですね・・・
しばらくすると左手に朝靄に包まれた新宿の高層ビルが見え、そして(いつ見ても神々しい!)富士山が見えてきました。 左側のお席にお掛けの外国人客がカメラを取り出し、早速写真を撮っています。 「あぁ私も撮りたい・・・」と思いましたが、(右側の窓際の席からわざわざ身を乗り出して富士山を見ようとしている私は、既に外国人客から不審な目で見られていましたから、)ぐっと我慢し、右側の席だったことを悔やみました。 
 
・・・が、その数分後には、右側の席だったことを感謝していたのです。
と申しますのも、飛行機は再び右へ旋回し、鹿島浦辺りから太平洋岸に沿って北上を始めたのです。
このルート、(私は)初めてのルートでした。 陸地と海のコントラストが美しく、また、海の色が"日本の海"の色なのです。 今度は右側のお席にお掛けの外国人客が(外国人ではありませんが私も・・・)しきりに写真を撮っていました。
 

   

(茨城県上空?)
 
福島県上空だったでしょうか、陸の色が突然、白く変わりました。 一面雪景色です。
 

(宮城県上空?)
 
 

(岩手県上空?)
 
宮城県上空にさしかかった頃からが増えてきました。 ふと、子供の頃、北海道(母の出身地)へ向かう飛行機の中から見ていた景色を思い出しました。 雲の形が、子供の頃の記憶と同じなのです。 (東北地方独特の雲の形というのがあるのでしょうか・・・) 「自分も将来、空の上で仕事がしたい!」と思いながら眺めていた雲でした。

 

それにしても一体何処まで北上し続けるのだろう・・・フライト・トラッキング・システムの画面を見てみると、飛行機は下北半島を過ぎまっすぐ北海道へ向かっていました。
機長から「間もなく北海道上空」とのアナウンスが入り、窓の外を見ると、雲が晴れ、日を浴びて美しく輝く日高山脈が遠くに浮かび上がってきました。 その美しいこと! 
 

  

(太平洋の後ろに浮かび上がる日高山脈)
 
「"蝦夷富士"羊蹄山も見られるかしら」と期待していたのですが、生憎、雲海に飲まれてしまいました。
その後飛行機は、北海道を縦断してから左へ旋回して日本海を渡り、西へ向かったのでした。
 

  

(フライト・トラッキング・システム画面)
 
お食事をいただいた後、見慣れたシベリアの景色に目を遣って、一瞬ビックリ
 

(シベリア上空の龍?)
 
?!・・・かと思いました(つい最近、子供達と「千と千尋の神隠し」のビデオをみたせいかしら・・・)が、飛行機と並んで"飛んでいた"のは、飛行機と飛行機雲の影でした。
 
 

オランダへ戻って来た日に・・・」への2件のフィードバック

  1. お帰りなさい♪ぜひ原本「メモリーズ・オブ・ゲイシャ」も読んでください。私も、日本語「さゆり」買って来ればよかったなぁ。そして、Misaeさん。職業病ですね♪(ニコニコ) 素敵なスチュワーデスさん!!!!!

  2. 遅まきながら、Merry Christmas! 現役さんでも、個人になると、フライトは楽しいのですね。富士山はやはり日本の象徴ですね。Mihailiくんからコメントもらいましたよ。Booは雪の中でキャンプしてきました。写真アップしたので見てやってください。年末風邪を引かぬように頑張ってください。京都Booより

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