フライト日記(Bonaire)

ボネールへの乗務から10日が過ぎ、只今"脱皮"の真っ最中です・・・
背中から始まり、ついに手足も・・・顔もむけるのかしら(不安)・・・
それでは、長らくお待たせしておりましたボネール便のフライト日記を・・・
8日間トリップでしたので、長いデスxxx

 
2006年2月
(BON)
 
5日間のブロックリザーブ(=スタンバイ)。 呼ばれたのは8日間のボネール便です。
ボネール(Bonaire)は、(アルーバやキュラソー同様)カリブ海に浮かぶオランダ領の小さな島。 
6泊8日の長いスケジュールですが、途中2日間は、エクアドルのキト(Quito)・グアヤキル(Guayaquil)とペルーのリマ(Lima)への往復乗務があります。
 
ボネールへの乗務は3回目ですが、3回ともスタンバイで呼ばれての乗務・・・8日間トリップは長過ぎて、(特に子供のいるママさんスチュワーデスに)当日病欠(=ズル休み)する人が多い、という噂(本当かしら・・・?)・・・(そりぁ~子供達に長いこと会えなくなるのは私だって寂しいですが)仕事は仕事ですし、長い便はその分フライト・リーブ(=お休み)も長くいただけますので「結局変わりないのでは?」と私は思っているのですが・・・
 
機種はMD11。 飛行時間は9時間45分。
担当はエコノミークラスです。
 
MD11は、客席数282席の大型機ですが、ギャレーは二つしかありません。 前方にビジネスクラスのギャレー、最後方にエコノミークラスのギャレーがあり、ビジネスクラスのギャレーにはビジネスクラス担当のクルーが2名、エコノミークラスのギャレーにはエコノミークラス担当のクルー全員の6名が入ります。 
一つのギャレーに2人ずつ入るタイプがほとんど(B777のエコノミークラスは3人ずつですが・・・)である中、一つのギャレーに6人で入るこのMD11は、とっても独特なのです。
 
サービスする時は、客室内には通路が2本ありますので、まず3人+3人に分かれます。 そして、その3人がまた、前方担当・中間担当・後方担当に別れ、後方担当者はギャレーでの準備も担います。
今回、エコノミークラス担当者の中で、私だけが2本線(制服の袖口に付いている白線の数が2本=ビジネスクラスを担当できる乗務員)(ちなみに、4本線はパーサー、3本線はアシスタント・パーサー、1本線はエコノミークラスのみ担当できる乗務員です)だったのですが、通常、前方担当になる(多分、担当エリアがビジネスクラスに近く、ビジネスクラスのお手伝いに行き易い為)ところが、今回は中間担当。 
 
やってみるとなかなか遣り甲斐のあるポジションでした。 
トローリーに不足が出た時に(例えば赤ワインが足りなくなったり、パンが足りなくなったり、トローリーに載せていないものを注文された時=例えば、食前のドリンク・サービス中に食後酒を頼まれたり・・・etc.)、それをギャレーに近い後方担当者に持ってきてもらうのですが、中間担当者は自分の分だけでなく、前方担当者の不足分も気遣ってあげないといけなかったり、また、自分の担当エリアが終わったら、直ちに後方担当者のエリアを引き継いで、後方担当者を先にギャレーに帰らせてあげないといけなかったり(=そうすることによって、トローリーの片付け+次のサービスの準備がよりスムーズにできるのです)(6人揃ってギャレーに戻ってしまうと、人間とトローリーでギャレーがいっぱいになってしまい、かえって動きがとれなくなってしまう)・・・
前後にいる同僚のサービスの進み具合を把握しながら、同時に、通路を挟んでサービスしている同僚達ともコミュニケーションを上手く取り、より手際よく、全エリアのサービスを終えられるように図る・・・
MD11では、同じエコノミークラス担当でも、担当エリアによって求められる仕事能力の内容が異なる、という訳です。 
 
今までMD11でエコノミークラス担当になった時はいつも前方担当だったのですが、考えてみたら、毎サービス、最後方のギャレーからエコノミークラスの最前列まで長~い通路を遙々トローリーを引っ張って行かなければならなかった上、担当エリアが終わると、ただでさえギャレーまでの道のりが長いのに(相棒達がサービスを終えている)中間エリア・後方エリアのお客様からの帰り道にお飲み物の追加注文を受ける為、なかなかギャレーに辿り着かなかったりしましたので、それを思うと、今回は体(=足)もちょっと楽でした。
 
ブリーフィングの時に、パーサーが「この路線はいつも日本人客が沢山乗ってるのよ!」とおっしゃるので、(なんでこんな路線に???・・・前に乗務した時は日本人客は見かけなかったけどなぁ・・・と思いつつも、日本人の私が乗務していて少しでもお役に立てるのなら・・・と)楽しみにしていたのですが、案の定、アジア系のお客様は全て中国人・・・でも、ビジネスクラスにお一人だけ日本人の女性客が乗っていらっしゃいました。 ジュネーブにお住まいで、年に数回、お仕事でリマへいらっしゃるとのこと。 飛行機は、ボネール経由リマ行きだったのです。
 
経由地ボネールで、乗務員が交代し、私達は空港から車で5分程(歩いても5分程で行けるらしい・・・)の所にあるクルーホテルへ。
 
ホテル到着が現地時間の午後4時過ぎ。 午後5時からホテルのビーチ・バーでは"ハッピー・アワー"(1ドリンク頼むともう一杯無料で付いてくる)だったので、シャワーの後、皆でそこで落ち合うことに。
 
ホテルは2階建てのコテージ風。 
初滞在時は1階の部屋でゴキブリが出没、2回目は2階でスーツケースを持っての階段の上り下りに一苦労・・・今回は・・・1階。 階段の上り下りが無いから「良し」とする・・・ことにする。
ここは部屋が広い!
 
  
 
シャワーを浴びようとバスルームに行くと・・・ものすごい数のアリが!!
手を洗う度に2~3匹流され、シャワーでは恐らく10匹以上流されてしまったでしょう・・・アリさん、許して・・・
 
アリに気を取られながらシャワーを浴びていたら余計に時間がかかって、折角の"ハッピー・アワー"を逃してしまいましたxxx
夕食の後、部屋に戻ると、アリさん、いなくなってました・・・ちょっと淋しかった・・・
 
翌朝、時差(オランダとの時差は-5時間)もあって、3時(オランダ時間の午前8時=子供達の登校時間)に目が覚めてしまって、朝食が始まるまでTVを見ていたのですが、昨晩姿を消したアリ達が、午前7時にゾロゾロと戻ってきました・・・なんだか嬉しい(!?)
レストランまでは、ホテルのハーバーの脇にかかる桟橋を渡って行きます。
 

 

(早朝のハーバー)  
 
朝食後、ホテルのシャトル・バスでソロボン・ビーチ(Sorobon Beach)へ。
エメラルド・グリーンの遠浅の浜辺です。
 

(まるで絵の様なビーチ)

 
同僚達はここでウィンド・サーフィンを楽しみます。 私もやってみようかと思ったのですが、初日は強い日差しに慣れておくだけにしておこうと、いつも愛用しているSPF50の日焼け止め(あまり焼くとアレルギーが出てしまうのです)を塗って、控えめに焼いていたつもりだったのですが・・・
部屋に戻ってシャワーを浴びようとして、ビックリ! また大量のアリ!・・・もいたのですが、それより体中真っ赤になっていたのです。 シャワーのお湯の痛いこと。 
その晩、夜中にキト&グアヤキルへの往復乗務があったので、空港の免税店で「アロエ・ボディー・ローション」を購入し、機内で早速塗りました。 他のオランダ人同僚達もこぞって同じローションを買ってました。 みんな予想外に日焼けしてしまったようです。
後から聞いた話では、冬に熱い国に行って日を浴びると、肌が冬仕様になっている為、普通以上に焼けてしまうとのこと。 オランダ人の何人かにはを出してしまった人も・・・。
 
キト&グアヤキルへの往復乗務では、ボネール離陸時にコックピットに座らせていただきました!
離陸直前に雨が降り出すと、コックピット・クルーが3人で何やら相談しています。 何でも「雨が降った時用の離陸時エンジン出力リスト」があるそうです。 何だかサッパリわかりませんでしたが、とても感心してしまいました。
そして、いよいよ離陸という時、いつもの曲が頭の中に流れてきました。
実は、私、離陸時に必ず頭の中に流れる曲があるのです。 
オランダにベースを移してからだったかと思うのですが、飛行機が滑走路を滑走し始めると決まって、どういうわけだか
宇宙戦艦ヤマト」の曲が・・・
滑走開始と同時に「タ~タッタ タ~タララ タッタタ~ タララ タッタッタッタ タ~タララッタ~ ・・・」という前奏が流れ、そしていつも、丁度離陸する時に「さらば~地球よ~・・・」と入るのです。 滑走路が長いと、もうちょっとあとの「・・・(宇宙~戦艦~)ヤ~マ~ト~!」のところで丁度離陸します。 ホントです!
(皆様も是非一度お試し下さい?!)
真夜中の便で、しかも何もない小さな島の空港でしたから、街の明かりもなく、星空に向かって離陸するコックピットからの光景は、正に"宇宙に飛び立つ"ようでした。 南に向かって飛び立ったのですが、真正面にキラキラと輝く木星が・・・! しばらくして東へ旋回すると、(木星以上に光り輝く)昇ってきたばかりの明けの明星=金星が・・・!
それはそれは素晴らしい生プラネタリウムでした
 
(つづく・・・)

 

 

フライト日記(Bonaire)」への5件のフィードバック

  1. 今度、離陸の時、ヤマト♪試してみますね。最後にささきいさおさんが声高く締めるところまでいくと嬉しいですね。テンポを間違えなければOKですよね。今月、またまた出張で今回は南京へ行かねば…なので、直行か経由かどちらにしてもトライできる。制服の二本線ですが、看護士のように資格テストとか経験とかで増えるのでしょうか?8日間のフライトだと急病になってしまう人もいるとのこと、お子さんがいると…、難しいところかも知れません。みさえさんは同じ境遇の中、朝のアリさんも楽しく迎えて、日焼けに苦しみつつ、長いフライト、ご苦労様でした♡一皮むけると人間大きく成長するらしく、よかったですね!

  2. ボネール(Bonaire)便乗務は大変ですね。
    ボネールは聞いたことのない地名です。結構なスケジュールで、確かに家族を持つ人にはきつい仕事でしょう。でも素晴らしい、そんな仕事をする人に尊敬と羨望を籠めて。
    日本語翻訳もある、八面六臂のご活躍、御同慶の至りです。

  3. ボネールは何処の国なんですか?熱い国はわかりました。そして海がとてもきれいですね!

  4. 再度読み直し、カリブのオランダ領がわかりました。最初に書いてあるのを見逃して下ばかりを!_(._.)__(._.)_(*_*)

  5. >がんぶぅさん
     
    「宇宙戦艦ヤマト」次のご出張の際、是非お試し下さい!なんだかワクワクしていいですヨ! (でも、うっかり実際に声に出さないようにご注意下さいネ!?・・・私は時々、知らず知らずのうちに、リズムに合わせて首を動かしてしまっていることがありますxxx)
    制服の線ですが、2本目の線は、ビジネスクラス・サービスの訓練を受ければもらえますが、3本目と4本目は、英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語(またはイタリア語)の語学資格と、適正試験に合格しないともらえません。 私も同僚から「昇進しないのか?」とよく聞かれますが、アシスタント・パーサーやパーサーになってしまうと、仕事の内容が変わってしまうので・・・私はスチュワーデスとしての仕事がやっぱり好きです。
     
    >Booさん
    ボネールは、私も最初どこにあるのかわからなくて、地図帳で調べましたヨxxx
    海、本当に綺麗でした!  あまり観光地化されていないようで、内陸部(小さい島なのであっという間に一周できてしまいますが)に"野生の鳥のサンクチュアリ"のような場所があちらこちらにありました。
     

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