2007年3月
(BON)
(ボネールの空港は"フラミンゴ空港"といいます。 ターミナルはピンク色です。)
ボネール便はリポーティングが午後9時55分と遅く、徹夜フライトとなるので、いつもなら午後に数時間仮眠を取ってから出かけるのですが、
この日、こちらで習っているピアノ連弾レッスンの相棒だったNaokoさんのお引越し先のEindhovenで、新しいお家のお披露目パーティーがあった為、午後はそちらへ出かけました。
そのまま空港へ向かうつもりで制服を着たまま・・・

お料理上手なNaokoさんと、同じユトレヒトに住む同じくお料理上手なMihoさんが腕によりをかけた、お寿司やコロッケなどの日本のお料理が並び・・・一時帰国中に3.5kgも体重が増え、制服のスカートが既にキツキツだったにもかかわらず、ついつい食べ過ぎてしまいましたxxx
そろそろ空港へ向かわないと・・・と思った頃、Naokoさんのリクエストで急遽一緒にピアノを弾くことに。
最後にレッスンでやったのは(NaokoさんがEindhovenに引っ越してしまったのと、彼女が間もなく出産予定であることから、しばらく連弾レッスンはお休みすることになっています)モーツアルトの「交響曲第40番」のピアノ連弾版だったのですが、彼女の希望で、その前にやったシューベルトの「ファンタジーD940」を弾きました。
Naokoさんの方はどうやらそのつもりで練習されていらしたようだったのですが、私の方はというと、モーツアルトの交響曲を終えてからは、12月に演奏予定の曲・モーツアルトの「ピアノ協奏曲第20番」の練習に既に取り掛かっていた為、シューベルトは全く練習しておらず、案の定ボロボロ・・・申し訳なかったです・・・(T_T)
ゲストの皆さんの前で、それはもう恥ずかしかった・・・前にやった曲も時々ちゃんと練習しておかないといけないな、と反省すると共に、いつか私の家で、どなたかに演奏をお願いすることがあったら、前もってお伝えしておかないと恥をかかせてしまうこともあるのだな、と学びました。
Eindhovenから一旦Utrechtへ戻り、夜遅かったので子供達を義理母宅に預けて、夫に空港まで送ってもらいました。
リポーティングしてスーツケースを預けた後、アローワンス(=滞在中の食費など)をおろしに専用キャッシング・マシーンへ行くと、専用カードが期限切れ。
新しいカードをもらいにクルー・センター内のサービス・センターへ。 そこに、もう一人、新しいカードを受け取りにきていたオランダ人スチュワーデスがいました。
この時間だともうボネール便しか出発便はないので、「一緒に働く同僚だな」と思って声をかけようと思ったのですが、サービス・センターの男性職員と話しっぱなしで声がかけられぬまま・・・
新しいカードを受け取って、改めてキャッシング・マシーンへ行くと、先程の同僚が「お金がおろせない!」とパニクっていました。
「大丈夫?」
と話しかけると、
「きっとこのカードが新しいからだわ!」
と言うので、彼女の隣のマシーン(→全部で4台あります)で試してみると、私はちゃんとおろせたので、
「私も新しいカードだけど、おろせたわよ。 こっちのマシーンは試した?」
と聞いたのですが、
「今、新しいカードもらってきたばかりなのよ~ ・・・すいませ~ん! お金がおろせませ~ん!」
・・・私の話は全く耳に入っていない様子で、向こう側のリポーティング・デスクの人に大声で助けを求めています・・・(;-_-)
彼女が新しいカードを受け取っている時、すぐ隣で私も新しいカードを受け取っていたのですが・・・全然気付いてない?
・・・一緒に乗務するのがちょっと不安になりました(苦笑)
ヘルプに来たリポーティング・デスクの人に
「他のマシーンは試してみたのか」
と聞かれ、(予想通り)
「Nee (=いいえ)」
と答えている彼女を後に、私は一足お先にパーサー(シニア・パーサーとジュニア・パーサー)にご挨拶へ。
握手をしてお互いの名前を告げていると、さっきの彼女も挨拶にやって来ました。
隣のマシーンですぐにおろせたらしい・・・やっぱり・・・(;-_-)
機種はMD-11。
担当エリアはエコノミークラスです。
MD-11は、こちら(→ http://www.seatguru.com/airlines/KLM/KLM_MD-11.php )を見ていただくとおわかりいただけるように、
エコノミークラスのギャレーが最後部に1箇所しかありません。
このギャレーに6名で入り、左右の通路に3人ずつ、前方・中間・後方に分かれてサービスします。
私が担当したのは、エコノミークラス左側の前方。
最後方のギャレーからエコノミークラス最前列までトローリーを引いて行き(←お客様に背中を見せない様、トローリーは後ろから押すのではなく引っぱって行きます)、最前列から主翼の3列手前までサービスします。 次の担当者(中間部担当者)は、主翼の3列手前からスタートし、最後列からスタートする同僚(後方担当者)とぶつかるところまでサービスします。
今回、パーサーに「好きな担当エリアを選んでいい」と言われ、今月はエコノミークラス担当月だったので(→制服に2本白線のあるCAは、通常ビジネスクラスを担当するのですが、年に二回程、名字のアルファベットの頭文字によって、エコノミークラスを担当する月があるのです)、だったら「全体を把握しやすい前方エリアを」 と選びました。
前方エリアを担当すると、サービスの度に後ろのギャレーから最前列まで遙々トローリーを引いて歩かなければならず大変ではあるのですが、サービス後、ギャレーに戻る際に同じように、つまり他の同僚達が担当したエリアを通って帰るので、何かあった場合にフォローができます。
今回、前方エリアを選んだ理由に、出発前にキャッシング・マシーン前でパニクっていたアネットもエコノミークラス担当だった、ということもありました。 何かあってもフォローできるかな、と思ったのですが、彼女は反対側の通路・・・でも、私と同じ前方の担当だったので、時々様子を伺いながらサービスしていました。
MD-11のエコノミークラスのギャレーは、6人で担当するだけあって広いのですが、それでもやはりトローリーが6台ギャレーに出ていると身動きが取れないので、サービスの時は、6人(=トローリー6台)が同時にギャレーに戻らないように、前方担当者は自分のエリアが終わり次第中間部担当者のエリアを引き継ぎ、中間部担当者が後方担当者のエリアを引き継いで、後方担当者から順にギャレーに戻って順にトローリーを片付けられるように心がけます。
・・・という理論を理解できていない同僚がいると、スムーズにいかないことがあります。
今回も、私と同じ左側の中間部担当だったナタリーが、私が
「前方は終わったので引き継ぐヨ!」
と言うと、
(「了解!じゃあ私は後方を引き継ぐネ!」という返答が望ましかったのですが)
「あ~私ももうすぐ終わるから~」
と引き継がせてくれず、(周りのお客様を見渡しても皆様お食事中で、私は何もすることがなく)困りました。
察する様子もなかったので、
「あなたの仕事を私が引き継いで、あなたがモニーク(=後方担当者)の仕事を引き継げば、モニークは先にギャレーに戻って片付けと次のサービスの準備を始められるから、そうモニークに伝えて!」
と説明し、ようやくわかってもらえました・・・ε=(-_-;)ホッ
後方担当のモニークは、乗務暦は短いですが地上職を長年務めていたせいか、とてもフレキシブルで、自分の仕事だけでなく全体を見通して動いていることがわかります。 非常に仕事がしやすい同僚でした。
それに比べてナタリーは・・・明るくてハキハキしたお嬢さんなのですが・・・
前の座席に足を上げていた(←もちろんやってはイケマセン!)お客様に、
「あなたは家でもこんなに行儀が悪いんですかっ?
お母さんに怒られなかったんですかっ?
今すぐ下ろさなかったら、これからアムステルダムに戻って飛行機降りていただきますからねっ!」
と厳しく注意していてビックリしました。
お客様、お怒りになるかと心配したのですが、意外にも大人しく直ちに足を下ろされて、二度と上げませんでした・・・(笑)
また、サービス中も、飲み物を二度注文された(←恐らく、ナタリーが無反応だったので「聞こえなかったのかな」と思って再度注文されたのではないかと察します)お客様に、
「待つことはできないのですかっ?・・・ったく。」
と注意して、この時はお客様怖がってました・・・ナタリー、もう少し優しく穏やかにに接することができたらいいのに・・・。
MD-11には、B747-400やB777と違いクルー・レスト(=キャビン・クルーが休むベッド・ルーム)がない(コックピット・クルー用のベッドはあります)ので、休憩時間には背もたれを大きく倒せるクルー・シートで仮眠を取ります。
2時間ほど順番に仮眠を取りましたが、やはり徹夜フライトは疲れるらしく、ボネール到着後のクルー・ドリンクには、コックピット・クルー3名とパーサーと私しか参加しませんでした。 現地時間で午前4時過ぎ=オランダ時間で午前9時過ぎでしたから、もっともと言えばもっともなのですが、ボネールは星がきれいなんですヨ~!(✿ฺ^-^✿ฺ)
セカンド・オフィサーのボブが、「昨年初めてのボネール便乗務で一緒だった」と私のことを覚えていて、私の名前ばかりでなく夫の名前、ピアノを弾くこと、星に詳しいこと、ユトレヒトに住んでいることまで言い当て、驚きました。
そういう私も彼の誕生日は例の如く覚えていて、射手座なのですが、丁度その時間見ることができたので星座の位置を教えてあげました。
お隣の蠍座の脇には美しい下弦の月と眩いばかりの木星が輝いていました・・・

(つづく・・・)