フライト日記 (Osaka)

2007年4月
(KIX)
 
大阪便のリポーティングは午後1時45分。
本当は午前10時くらいまで休めたら嬉しかったのですが子供達の学校がありますので、
(日本語補習校は春休みですが、オランダの学校はお休みではありません
いつもどおり朝は7時に起きて朝食とお弁当(←パンなので楽です♪)の用意をし、
子供達を学校へ送り出すとなんだかんだ9時になってしまい、
1時間仮眠を取るのも億劫で、早めに乗務の準備を始めました。
 
空港にはお昼前に到着。 
リポーティングするには早過ぎたので(→コンピューターが受け付けてくれないのデス)、スーツケースだけ預けてクルー・サービス・センターへ。
 
今度、機内で着用する女性用エプロンが変わるのですが、会社からのお知らせには
「もう大半の女性乗務員の自宅に、新しいエプロンが届いていることと思いますが、万が一、サイズが合わなかった場合は、クルーセンター内の仮設ルームで取り替えて下さい。」
としか書いておらず、私の家にはまだ届いていなかったので、
①いつから新しいエプロンになるのか確認し、
万が一今月からなら、
②どこかでエプロンを借りないといけないのか、
③あるいは今までのエプロンを使用してもよいのか、
知りたかったのです。
 
サービス・センターに入ると
「misae! ケーキ食べる?」
ここでサービス・エージェントとしても働いている、パーサーのペーター
(以前、ランディング中に急に親指が内出血をした時、到着後メディカル・センターまでのアテンドと、ユトレヒトまでの車の手配をしてくれたのがペーターでした→http://fromholland-withlove.spaces.live.com/?_c11_BlogPart_FullView=1&_c11_BlogPart_blogpart=blogview&_c=BlogPart&partqs=amonth%3D1%26ayear%3D2006参照)
が話しかけてきました。
「ペーター、お誕生日なの? おめでとう!!」
オランダでは、誕生日の本人が、家族・友人・知人を招いてケーキや飲み物をご馳走するので、職場でもケーキを配ったりするのです。
サービス・センターの奥に腰掛けて、オレンジ・ムース・ケーキとカプチーノを頂きながらペーターとおしゃべりしていると、これから乗務でサービスするはずがサービスしてもらって、なんだか変な気分でした(笑)
 
エプロンが新しくなるのは来月、と聞いて安心し、再度リポーティングを試みましたが、まだ Too early の表示が出てダメ・・・
今度は、Schiphol Plaza (=空港内のショッピング・センター)へ。
大阪で会う予定の友人から頼まれていたレオニダス・チョコレートを購入し、クルー・センターに戻り、既に預けてあったスーツケースに入れることができるか聞きに行くと、
「本当は一旦(クルー・センター内の)税関を通してスーツケースを出し、チョコレートを入れた後再びセキュリティー・チェックを受け直して預けないといけない」
のですが、
「チョコレートだけセキュリティー・チェックを受け、係官が見ている前でスーツケースに入れればよい」
とおっしゃって下さったので、係官の前でスーツケースにチョコレートを入れ、新しいセキュリティー・シール(=セキュリティー・チェックを受けると貼られるシール)を貼っていただきました。
 
日本(東京・大阪)ベースの同僚達も到着し、リポーティングアローワンスの引き出しを済ませ、パーサーに挨拶。
 
ブリーフィングを終え、ゲートへ。
東京便のゲートF02で、東京ベースの同僚達に手を振ると、お客様にも手を振る人が・・・? 同じオランダベースのY子さんでした。 お子さん達と一緒に一時帰国されるとのこと。
 
大阪便のゲートF06で日本語アナウンス担当の職員(日本人2人と日本語を話す外国人2人がシフト制で勤務していらっしゃいます)に挨拶を・・・と思ったのですが、どなたもいらっしゃらず、「ディレイがないといいけれど・・・(*)」と思いながら機内へ。
 
(*) 以前、一人で一時帰国する際、ディレイのアナウンスが
英語オランダ語でしか入らず、
アナウンスを聞いた外国人客が次々ゲートを離れて行く中、
日本人客だけいつまでもゲートで待機しているのを見て、
思い余って、近くにいたオランダ人地上職員に
クルーのIDを見せながら、
日本語アナウンスをいれましょうか?」
と申し出たのですが
「この便は自分の担当ではないから」
と断られ、
(担当の地上職員とトランシーバーで連絡を取ってくれることを
期待したのですがそれもなく)
気になりつつも、夫と子供達がいた空港内のレストランへ向かった・・・
ということがあったので。
 
機種は、ボーイング777。
担当は、日本人の同僚と組んでのビジネスクラスです。
(日本語で仕事ができて、とっても楽でした♪♬♫) 
 
機内では、まず、プリフライト・チェック(=自分が担当するドア付近の非常用設備の確認)、キャビン・チェック(=客室内に不審な物がないか確認)、ケータリング・チェック(トローリーやコンテイナー内に不審な物がないか確認)などを済ませます。
以前は、私達乗務員はプリフライト・チェックだけをすればよかったのですが、2001年のテロ以降、キャビンやケータリングも私達が再チェックするようになりました。
良いサービスも、安全飛行あってのことですからネ。 しっかりチェックします!
 
ウェルカム・ドリンクの準備なども全て終えた頃、コックピット・クルーが搭乗し、各ギャレーを回って皆に挨拶(=握手をして自分の名前を伝える)。
日本路線の操縦士は3名のはずが・・・7名???
4名は、デッド・ヘッド・クルー(=乗務はしないクルー)とのこと。 内3名は翌日私達がオランダへ戻る便に乗務し、もう1名は大阪からの貨物便に乗務するとのことでした。
パイロットが大勢いるのは心強い(笑)
 
お客様を迎える準備はとっくに整っていたのですが、なかなかパーサーからの"お客様搭乗開始"のアナウンスがない・・・ 
パーサーに聞くと、どうやら機体に故障箇所が見つかったらしい・・・そう言われて見れば、操縦士と整備士がコックピットを出たり入ったりしています。 
副操縦士がギャレーを回って説明しに来てくれました。 
「故障が見つかったのは操縦室のコンピューターで、新しいソフト・ウェアをインストールし直している」
「出発できるまでどれくらい時間がかかるか、今の時点では全くわからない」
とのこと。
 
やっとリクエストが通った日本路線なのに、どうして出発が遅れるかなぁ・・・ただでさえ1泊しかないのに・・・(T_T)
 
お客様へのアナウンスはどうしているんだろう・・・
と思っていたら、パーサーが
「misae! ゲートで日本語のアナウンス入れてきて!」
 
オランダ人の地上職員とゲートへ戻り、オランダ人職員のオランダ語・英語のアナウンスに続き、遅延をお知らせする日本語のアナウンスを入れました。 すぐに「お手洗いへ行きたい」というお客様が続出したので、地上職員の指示で
故障箇所の修理・点検作業が終わり次第搭乗開始となるので、なるべくゲートで待機し、お手洗いに行きたい場合は、地上職員に搭乗券を預け、少人数ずつ順番に行くように」
というアナウンスも。
 
機内アナウンスとはまた異なったアナウンスで、もちろんマニュアルもありませんでしたから、その場で訳してのアナウンス・・・注意深く聞いたら、可笑しな言い回しをしてしまった箇所もあったかと思いますが、とにかくをこめて、ゆっくりと、お客様全員に話しかけるように、アナウンスしました。
 
一旦機内に戻り、待機し、出発予定時間を1時間半程過ぎたところで、再びゲートへ。
オランダ人地上職員に
「10分くらい前に、"あと10分程で詳細がわかる"とアナウンスしたのだけれど、10分たった今、まだ詳細がわかっておらず、整備の方からは"あと10分"と言われた。 そうアナウンスすべきか否か・・・」
と聞かれ、
「詳細がわかっていないのなら、かえって混乱を招く恐れがあるので、アナウンスは入れない方がいいでしょう。」
とアドバイス。
 
「他からの乗り継ぎで、朝から何も食べていないのですが・・・」
というお客様もいらして、
ゲート軽食をお配りするか」
「お客様ご自身で、ゲートの外で軽食を買って来ていただき、ゲートに戻って食べていただくか」
地上職員の間で話し合われましたが、
故障箇所の修理・点検作業が終わり次第、搭乗開始となる」
という状況は変わっていないので、
「あと10分、このまま待機」
ということになりました。
朝から何も食べていない、というお客様には、たまたまポケットにチョコレートが入っていたのでそれを差し上げました。
 
そして10分後。
インストールしなおしたソフト・ウェアが正常に作動したらしく、搭乗が開始されました。
搭乗開始のアナウンスを日本語で入れ、私も大急ぎで機内へ戻りました。
 
満席でしたが、最前列の4名はデッド・ヘッドのパイロット。 
ミールのチョイスで不足が出ても、彼らに変更してもらったらいいと思うと、気が楽です。
 
最初のドリンク・サービスの時、相棒のエリアにお座りの、カップルで乗っていらした外国人の男性客が
ピンク・シャンパンを頼んだのに違うものを注がれた」
と怒ってグラスを差し出してきました。
ここ数ヶ月、特別シャンパンとして、Piper-Heidsieck Rose Sauvage という、ワインのロゼのような濃いピンク色シャンパンを搭載しているのですが、
「メニューに"pretty pink colour"とあるが、これはピンクではない! 味もフランスのシャンパンと違う! これは違うシャンパンだ!」
とおっしゃるので、
「いいえお客様。 こちらがピンク・シャンパンでございますよ。 確かにお色はピンクというよりバラ色ですが・・・。 もう1種類のシャンパンは、ご搭乗いただいた際にお持ちした、中国産スパークリング・ワイン(←今、中国フェアーをやっていて、ワインも、珍しい中国産のものを載せています)となりますが・・・」
と申し上げると、
「ボトルを見せろ!」
そのお客様はビジネスクラスの最後列にお掛けだったのですが、ボーイング777ではサービスを最後列から始めるので、私が担当するお客様が後にまだ15名もお飲み物のサービスをお待ちでしたから、
(あら困ったわ・・・)
と思いながらも、ギャレーに戻って中国産のものと、相棒がそのお客様に注いだピンク・シャンパンのボトルを持って行きました。
ボトルを見比べて暫く黙っていらっしゃったので納得して下さったのかと思いきや、
「パーサーを呼んで来い」
とのこと。
パーサーに事情を説明し、お客様のところへ行ってもらい、私はドリンク・サービスに戻りました。
程なくしてパーサーが
シャンパン2種類のボトル貸してくれる?」
と再びボトルを取りに来ました。
まだ「違うシャンパンだ!」とおっしゃっているらしい・・・(;-_-)
 
ドリンク・サービスを終えてからパーサーに様子を聞くと
「ボトルを見せて、目の前で改めてグラスに注いでもまだ、これはピンク・シャンパンじゃない、と言い張るので、
それではシャンパン以外のサービスで、アップ・グレードの旅をごゆっくりとお楽しみ下さい!
って言っちゃったよ(笑)」
そのお客様は、エコノミークラスからのアップ・グレード(=エコノミークラスが満席でビジネスクラスに空席がある場合に、エコノミークラスのお客様の中からマイレージ・プログラムの会員の方を優先してビジネスクラスにお席をご用意することがあります)だったのでした。

(こちらがPiper-Heidsieck Rose Sauvage

 

お食事のサービスも終わり、相棒がOCR(=Overhead Crew Rest)に休みに行っている間に、朝食のサービスの準備をしました。
今回、ケータリングのミスが多く、ただでさえ大変な"朝食アラカルト"(→日本路線の朝食サービスは、お客様ご自身でアレンジできる"アラカルト・スタイル"で、お一人お一人ご希望通りのトレイをご用意します)の準備に余計に時間がかかりました。
出発前にチェックした時点で、ミールトローリーに搭載されているはずのリネン(=テーブル・クロス)、日本茶の湯呑茶碗、朝食アラカルト用のオーダー・フォーム(=注文カード)が全くなく、また朝食用のスモーク・サーモンチーズの数が足りなかったので、ケータリングに電話して搭載をお願いしてあった(+2時間ディレイした分時間もあった)のに、結局搭載されなかったのです。
 
オーダー・フォームがなかった為、(ホットミールのチョイスだけは、口頭でお一人ずつ伺いましたが)シリアルヨーグルトジャムなどのチョイスはお伺いできないまま、トレイをご用意することに。
「あのお客様はきっとコーンフレーク・・・こちらのお客様はきっとミュズリ・・・あちらのお客様は苺ジャム・・・そちらは杏ジャム・・・」
と、それまでのサービスで受けた印象を元にお好みであろうものを選んで、またお隣同士が同じ内容になるように考慮しながら、トレイを作りました。
 
ボーイング777とMD-11ではビジネスクラス担当者、ボーイング747ではアッパー・デッキ(=2階席)担当者が忘れてはならない、もう一つの重要な仕事が、コックピット・ケア
操縦士の飲み物や食事を用意する他、30分毎にインターフォンで無事を確認することになっています。
満席の時は、客室のサービスが忙しく、30分毎のケアは大変です。 
毎フライト、出発前に操縦室に運んでおくミネラル・ウォーター(1ℓボトル)とオレンジ・ジュース(500mℓボトル)とクルー・ボックス(=乗務員用のお弁当箱のようなもの)で、最初のミールサービスが終わるまで「何もいらない」と言ってくれる(ありがたい)操縦士もたまにいるのですが、こちらのサービスの進み具合に関係なく色々注文してくる場合の方が多いですxxx今回も然り。
 
朝食トレイ作成中に頼まれた副操縦士用の食事をコックピットに運んでギャレーに戻ると、相棒の担当エリアの最前列の窓側におかけのベルギー人のお客様が眠たそうに、且つ、超不機嫌そうに立っていらっしゃいました。
お話を伺うと、
「隣に座っているデッド・ヘッドのパイロット達がいつまでも起きていて、うるさくて眠れない! 明日は到着後仕事で、機内で寝ないといけないんだ! パーサーを呼んで来い!」
少々お待ち下さい♡と微笑んで、パーサーを呼びに行くと、休憩でOCRへ行ってしまっている・・・それで、ジュニア・パーサー(=シニア・パーサーの補佐をしながらエコノミークラスを仕切るパーサー)に代わりに行ってもらいました。 が・・・
「飛行中、寝ようが寝まいが、それは自由なので、文句をおっしゃられても・・・」
と、ますます怒らせてる・・・(;-_-)
 
OCRから戻ったパーサーが引き継いで、きちんとお詫びし、お客様もご機嫌を直して一件落着・・・ε=(-_-;)ホッ
流石だな、パーサー・・・と感心。
 
大阪到着の1時間半前から、朝食のサービス開始。
ホット・タオルに続いて、フルーツ・ジュースヤクルト(←余った時は私も1本いただきます♪)、ヨーグルト・ドリンクビタミン・ドリンクなどをお配りし、これからミール・トローリーキャビンへ・・・
というところで、パーサーが慌てた様子で
「misae! 通訳を頼む! エコノミークラスでオランダ人の急病人だ! でも、呼び出しに応じて来てくれた医師が日本人なんだ!」
急いでエコノミークラスの客室へ・・・すると、60~70歳と思われるオランダ人男性客が真っ青な顔虚ろな目をこちらへ向けていました。
 
(つづく・・・)

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