フライト日記 (Tehran)

2008年6月
(IKA)
 
オランダベースになって2度目のテヘラン便
 
湾岸戦争勃発前は、エアバス310イスタンブールからの往復乗務だった(=ステイはなかった)テヘラン
戦争中はもちろん、湾岸戦争後も確かしばらくの間は飛んでいなかったんじゃないかしら・・・よく覚えていないのですが・・・私が始めてテヘランに乗務したのは、テヘランに再就航して間もなく・・・だった気がします。
 
前回の機種はボーイング767。 今回はMD-11。 
担当はエコノミークラスです。 
車椅子のお客様がなんと30人以上!いらっしゃるとのこと・・・(驚)
そんな訳で、ボーディングは(アフリカ路線に匹敵するくらい)非常~~にゆ~~っくり・・・
 
イラン人のお客様の多くはアメリカからのお乗り継ぎで、若い世代の方は英語を全く問題なくお話になっていました。
同じアメリカからのお乗り継ぎでも、高齢の方は英語はお話にならず、ペルシア語Only・・・全然話が通じないのですが、イランの人々は皆様本当にとってもにこやかで、話は通じなくとも和やかに応対することができました。
どの国の人でも、こちらが微笑みかければ微笑み返して下さいますが、このイランの人々の笑顔は格別でした・・・
フライトの間ずっと"笑顔合戦"状態(笑)
 
テヘラン到着間際になると、女性客の着替えが始まります。
手荷物からヒジャーブ(髪を隠す為のスカーフ)とアバーヤ(身体の線を隠す為のコート)を取り出し、身に着けます。
アムステルダムでお乗りになった時と、テヘランでお降りになる時とで、外見が全く違う・・・!
 
そう言う私達も(←女性乗務員だけ)、お客様がお降りになった後、地上職員が機内に運んできたヒジャーブを頭に巻き、アバーヤを羽織ります。


(これがクルー用のヒジャーブアバーヤ

前回は、ヒジャーブだけで構わなかった(→しかも自前のスカーフでもよかった)のが、2007年4月30日から(?)イランで進められている厳しい服装規制が外国人や観光客にも求められるようになったそうで、今回はアバーヤも羽織らなければならなくなっていました。
飛行機を降りる前に、乗務員がこうして"イスラム衣装(?)"に変装しなければならないのは、恐らくテヘランだけです・・・他のイスラム教国圏のフライト先では、外国人はその服装規制に従わなくてもよいことになっているか、あるいは、ユニフォームの時はそのままで構わず、私服でホテルの外に出る時だけヒジャーブアバーヤを着用(→クルー用のヒジャーブアバーヤが、クルーホテル内のクルールームに用意されています)という国がほとんどだと思います。
 

全員が着替え終わると、まるで別の"航空会社のクルー"のようで面白かったデス。

(機内で写真写真が撮れたらよかったのですが、残念ながら、空港内は撮影禁止(T_T))
 
前回到着した空港は、THR=メヘラーバード国際空港。
今回は、IKA=エマーム・ホメイニー国際空港。
 気温は24度くらいだったかと思いますが、制服の上からコートを羽織、頭には(ポリエステル製の)スカーフを巻いていたので、飛行機を降りてから空港の外に出るまでにすっかり汗だくに・・・(^_^;)
 
クルーホテルまでクルーバスで約1時間・・・移動時間が長い時は、いつもならバスの中でビールやワインを飲みながらクルーホテルに向うのですが、イランはアルコール厳禁の国・・・ε-(-_-;)
 
クルーホテル到着後、5階のクルー専用フロアーへ。 
前回と同じクルーホテルでした。 前回は4階が滞在フロアだったのですが、今回4階にはAFのクルーが滞在していました。
クルー専用フロアでは、ヒジャーブアバーヤは不要。 
クルーのチェックイン、チェックアウトもこのフロアーの一室で行われます。
 
到着が早かったのか、出発クルーがまだいて、部屋の準備が整っていないとのことだったので、制服のままクルールームへ。
「あーっ! ヴィビとピアノ弾いた人!」
と出発クルーの目がが一斉に私へ??? 
滞在中、クルールームで会社のパーティー(詳しくは→http://fromholland-withlove.spaces.live.com/blog/cns!945B0BC82EE67D38!2748.entry)のDVDを皆で見たのだそうです。
(私が出ている部分だけ、ここでご紹介できたらいいのですが、やり方がわからなくて・・・(^^ゞ)
 
全員分の部屋の準備が整う頃には空が白み始めていました。 
真っ暗でわからなかったのですが、正面に高い山が! 美しい朝焼けを楽しんでからやっと部屋に。


(クルールームからの眺め)

翌朝(・・・と言っても就寝したのが明け方でしたので、5~6時間後)はクルールームで朝食。 ホテルのレストランでも朝食はいただけるのですが、またヒジャーブアバーヤを着けないといけないので面倒くさくて誰もレストランには下りませんxxx
質素でしたが、美味しい朝食を、同僚達と楽しくいただきました。 ・・・なんだかまるで合宿のよう?


(テーブルに朝食が用意されたクルールーム)

この週、イランは祝日(ファーテメ・ザフラー殉教追悼記念日=預言者ムハンマドの娘、初代エマーム・アリーの妻、第2代ハサン、第3代ホセインの母の命日)で、宮殿も博物館も全て閉まっているとのこと。 
観光を希望していた同僚達も諦めて、結局朝食後もそのままクルールームでおしゃべりし、昼食(←朝食と同じメニューxxx)を取りました。
私は前回既に宮殿や博物館には行ったので(+引越しの疲れを癒す為)、今回はホテルでのんびりするつもりで、本(→フランク=東京便での機長からいただいた『白馬の王子の見つけ方』という、精神科医が書いた本・・・オランダ語の本ですが、なかなか興味深いです)と、ユトレヒト音楽図書館で借りてきた楽譜(→リストの『3つの演奏会用練習曲』 第2番"軽やかさ"という曲・・・ヴィビが前回のサロン・コンサートで弾いた曲で、「是非弾いてみて!」と言ってもらえたのでトライしてみようかと・・・)、それから、日本のテレビドラマ(『のだめカンタービレ』や『鹿男あをによし』、『ロス・タイム・ライフ』)が入ったiPodを持って来ていましたので、朝食後はのんびり本を読んだり、譜読みしたり、ドラマを見たりしていました。
 
(リスト『3つの演奏会用練習曲』 第2番"軽やかさ")
(Etude de Concert no.2 "La Leggierezza")
      
(アルフレッド・コルトーによる演奏の動画を見つけたのでご紹介します)
(再生する前に、ブログのBGM=WMPの音楽を停止させて下さいネ♪)
 
夕食くらいは何か別のものを食べたいけれど、祝日でレストランも閉まってしまっているのでは・・・(;-_-;)
と心配しましたが、調べてみましたらレストランは開いているとのこと・・・
ε-(^。^;)ホッ
「レストランの中ではヒジャーブアバーヤも外して良い」というレストランを予約し、再びヒジャーブアバーヤを着用して(→暑い・・・)、ホテルのバスで街へ。
道中目についたのは、オートバイの3人、4人乗り。 夫婦で子供を間に挟んで乗っている(→運転するお父さんと、最後部に座るお母さんとの間に、小さな子供が1~2人座っている)のです・・・( ̄□ ̄|||) 
誰もヘルメットをしておらず、見ていて本当に怖かったデス・・・。
 
レストランは壁で囲まれていて、外からは見られないように作られていました。
中に入ってすぐヒジャーブアバーヤを預け、身軽で涼しい格好でお食事。
アルメニア料理のお店でしたが、ケバブ以外は欧米と同じようなメニューでした。
飲み物を注文する時に、男性クルーが口々に
「ビール!」
とか
「ワイン!」
と冗談を言っていたのがおかしかったです。
 
ノン・アルコールのビールを注文したペーターが
「misaeはビール頼まないの?」
と聞いてきました。
「・・・どうして私にだけ聞くの??」
「前に一緒にアルーバ(←カリブ海のオランダ領の島)にフライトした時のこと覚えてる?
バーで、メニューにあったカクテル、上から順番に全部頼んで・・・(笑)」
・・・メニューにあったカクテルを上から順に全部頼んだのって、ミネアポリスでだけだと思っていたのに、他の場所でもやっていたとは・・・(恥)
 
ホテルに戻ってからは、クルールームでDVD鑑賞。
を見ました。 
日本語の部分だけオランダ語の字幕が出なかったので、その部分だけ同時通訳したり、舞台が東京でしたから、いろいろと事情を説明しながら見ました。
私の目には「これってちょっと違うのでは???」と写ったシーンもいくつかありましたが、それが"外国人の目に映る日本"なのかもしれませんxxx
 
映画を見ながら、持参したおつまみ類を出し合ったり(→クルールームには甘いケーキ類しかない、という事情をわかっていた同僚達が、いろいろ持って来てくれていました)
「何か飲む?」
とお互い気遣いあったり、まるで誰かの家で映画を見ているようでした。
「何か飲む?」
と聞かれると必ず誰か一人は
「じゃあ・・・よく冷えたビールを!」
・・・だからアルコールはありませんって!
 
この二日間で、一体何杯コーヒー・紅茶を飲んだでしょう・・・
フライト先でお酒を全く飲まない、というのもなんだか不思議でした(笑)
 
翌日もほぼ同じスケジュール。
夕食は、ホテル内のタイ料理レストランからクルールームにルームサービスをお願いしました。
美味しかったです♪
 
食後はまたDVD鑑賞。
を見ました。 またまた日本が舞台の映画です。
この映画もやっぱり日本語の部分だけオランダ語の字幕が出なかったので、その部分だけ同時通訳をしたり、同僚達からの質問(→ex.「"えくぼ"って何?」etc.)に答えながら見ました。
最後のシーンでは皆うるうるきてました。 女性だけかと思ったら、男性のパーサーも目を赤くしていました。
 
Callingが午前3時15分(→ホテル出発は1時間後の午前4時15分、テヘラン離陸予定時間は午前6時30分)だったので、午後9時30分頃から仮眠を取りました。
午前2時45分に目覚ましをかけていたのですが、午前2時前にすっきり目が覚めてしまいました。
丁度4時間半眠ったことになるので、睡眠のサイクル(=90分)としてはいいのかな?
ちなみにイランオランダとの時差は、プラス2時間30分(→だからイラン日本では、マイナス4時間30分)。 ちょっと計算し辛い(^^;)
 
支度をして、早めにチェックアウト。
(早く部屋を空ければ、早く清掃に入ることができて、到着クルーの部屋の準備も時間通りに整うかしら・・・と思って)
クルールームでコーヒーを飲んで待っていると、同僚達が続々と集まって来ました。
到着クルーが到着しないうちに、出発の時間に・・・ディレイしているのでしょうか・・・?
それでも私達は予定通り出発。 
ヒジャーブアバーヤを身に着け、クルーホテルを後にしました。


(出発前に・クルールームで)

東の空に上って間もない木星星を眺めながら、空港へ。

帰りの便も車椅子のお客様が20名ほどいらっしゃって、ボーディングに時間がかかりました。
出発予定時間になってもなかなか飛行機がゲートを離れないので、どうしたのかと思ったら、
「荷物の搭載に時間がかかっている」
との機長からのアナウンスが入りました・・・イランの方々、とってものんびりしていらっしゃいます・・・(^_^;)

早朝の便でしたので、離陸後いきなり朝食のサービス
お客様も早くから起きられてお疲れだったので、朝食のサービスの後はほとんど皆様お休みになっていらっしゃいました。
到着前のサービスまで約1時間、同僚達みんなに指圧マッサージを。
今年の夏休みは、一時帰国中に霊気セミナーを受ける予定なので、サービスの合間に同僚達にいろいろしてあげられたらいいなぁ・・・と思っています。
 
アムステルダム到着は定刻より早かったのですが、車椅子のお客様が多かった為、皆様お降りになるまでものすごく時間がかかりました。
イラン人のお客様、相変わらずにこやかで、
「ありがとう! 最高のサービスでしたよ!」
と、皆様満面の笑顔でおっしゃって下さる・・・"笑顔合戦"負けたかもxxx
 
次回もテヘラン便・・・飛行機
次回は私も、クルールーム用に、おつまみ類をいろいろ持って行こうと思います♪
 

フライト日記 (Tehran)」への7件のフィードバック

  1. はじめまして:
      心の込めた記事ですね。 デザインもきれいですよ。*^^*
      何よりも、色の使いかたは、すごいです。
     
      アイコンはね、Memoir of a geishaですので、見にきました。*^^*
      その本をね、読みましたの。 とても気に入りました。
      映画より、作者の本のほうが素敵ですよね。^^
     
      それでは
     
                                                                           あさのせん

  2. >asanosenさん
     
    バンクーバーから、コメントありがとうございます。
    『Memoir of a geisha』、asanosenさんはきっと原作を読まれたのですね!
    私は最初にオランダ語訳の本(『Dagboek van een geisha』というタイトル)を読んで、やっぱりちょっと難しかったので(恥)、日本で日本語訳の本(『さゆり』というタイトル)を買って読みました。 きちんと京都弁で書かれていてとてもよかったのですが、英語の原作(←実はもう買ってある)もいつか読んでみたいと思っています。 
    映画より本の方がいいと、私も思いました。 でも、『Memoir of a geisha』の映画は、映像がとてもきれいで・・・すごく楽しめました! オランダ、アメリカ、日本で、3回も見てしまいました・・・(^^ゞ

  3. おはよう:
      ありがとう、コメントしてくれて。^^
      すごいですね、ミサエさんは、世界中を旅していますね。^^
      オランダ語もわかるし、英語も、日本語も。。ほかにも知っている言葉があるのかもしれませんね。
      
      その本ね、読みました。 
      日本語のは、少し覗き見をしましたけど、、一ページだけでね。 英語のとほとんど同じだから、読んでなかったです。
      英語のは、美しく書かれていますよ。 ぜひよんでみてくださいね。
      作者の表現も、読者に読むときの感じさせる臨場感も、、すばらしいです。
      
      そうですね、日本語はまだ自由に使ってもミスを犯さないレベルではありませんね。私。 (恥ずかしいです。 ^^;)
      うん、もうすぐ、五年になりますから、何とかしたいと思います。
      自分はね、日本語でものを書くなら、そのまま、思ったことをかき込んでしまいます。
      文法的には、間違っているとしても、 書いてしまいます。^^;
      英語を書くときも同じですけどね
      あ~~ これは、やはり何とかしたいです。^^;
      はーい、がんばります。
     
     
      それでは 
     
                                                                     あさのせん

  4. お久しぶりです!オランダも中近東って人気でてきたのでしょうか?私のいる旅行会社は、欧米より中近東やアフリカの方が問い合わせ多いですヨ。欧米はサーチャージが高いからですかね~。又7月発券分からサーチャージ値上がりして路線によっては、
    57000円かかるようで・・・だからかな、中近東のサーチャージの安い航空会社使うツアーのお問い合わせ多いのは、それとも、欧米行きつくした方が秘境の地もとめてるからですかね~おかげで、ビザチームは忙しいです(^_^;) 
    イランってビザ申請するための添付書類も多くって・・・今年3月から、現地受け入れ旅行会社のペルシャ語で書かれた書類も必要になり、最初見たときはどちらが上かわからず上下逆にくっつけてました~(^_^;) プラス、ビザ取れてパスポート返却する時に、服装やアルコール持込厳禁の案内もしなくてはいけないのでブログ、大変参考になりました!(^^)! これからもブログ楽しみにしてます!
     PS 冬のイランに行ってみたいです。キャビアがとっても美味しいらしいです。冬にイランのツアー入ったら、ご飯持って行って、アツアツご飯の上に、キャビア沢山のっけて食べたいです(*^。^*) 
    スカーフつけて体のライン隠れる腰まであるコート着用するのって何故か、『マッチ売りの少女』連想してパスポート返却する時吹き出しそうになるんです(^_^;)、あのお話って、アンデルセン童話なのに・・・(^^♪
     

  5. >miyoさん
     
    先月イランに関してご質問をいただいてからすぐ、偶然にもテヘラン便が付いたのでちょっと驚きました(笑)
     
    >オランダも中近東って人気でてきたのでしょうか?
    オランダ人のお客様はほとんどいらっしゃらなかったので、特に人気ではないと思いますxxx
    お客様のほとんどは(アメリカに移住した)イランの方とそのご家族でした。
    でも、ドバイやマスカットにはオランダ人もバカンスに行くようです。
    イランは服装も厳しいですし、ビールも飲めませんからね(ノンアルコール・ビールはありますが)・・・
     
    >『マッチ売りの少女』
    確かにそんな感じかも・・・!
    コートの丈は、(ユニフォームのスカートが隠れていましたので)腰よりもう少し長くて、膝下くらいまであったと思います。
     
    今日からまたテヘランに行ってきます。
     
     
     

  6. 変装楽しそう~。^^。マレーシアも、メガセールがはじまると、いきなり黒ずくめの人たちで街が溢れかえります。^^;。
    暑くないのかな~?

  7. >黒豚さん
     
    >暑くないのかな~?
     
    ・・・暑いデス。 コートの下は、ビキニでもきっとまだ暑いくらいの暑さです・・・(コートの下がビキニなんて人はいないとは思いますがxxx)
    頭のスカーフも、していると視野も狭くなり、耳もちょっと遠くなって、本当に不便・・・でも、毎日していると慣れてしまうのかもしれませんネ(笑)

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