フライト日記 (Lima)

2009年3月
(LIM)
 
7ヶ月ぶり、2度目のリマ便
 
機種はボーイング777
担当はエコノミークラス前方エリア。
 
ブリーフィングルームには、いつもは早めに、大抵同僚達よりも先に行って、楽譜を読んだりしながら皆が集まるのを待つことが多いのですが、
今回はブリーフィング開始5分前くらいに行ったので、パーサー達(←全体を仕切るシニア・パーサーと、エコノミークラスを仕切るジュニア・パーサーあるいはアシスタント・パーサー)以外はもう皆揃っていました。
 
私がブリーフィングルームに入っていくと、皆一瞬
びっくり??? どうしてここに Local Cabin Crew (=日本、韓国、中国路線に乗務する現地ベースのCA)が???
と、困惑顔に。
 
私の方が先にブリーフィングルームにいれば
びっくり??? Local Cabin Crew が部屋にいるということは・・・ブリーフィングルームを間違えた???
と動揺され、
後から行けば、私が、
"間違ったブリーフィングルームに来てしまった Local Cabin Crew"
 だと誤解され(笑)
 
オランダ語で話しかけるとすぐに安心されますが、いつもこれが可笑しくて、毎フライト、こっそり楽しみにしていたりもします (*^-^*)
 
ブリーフィングの後、ゲートへ向かい、プリ・フライト・チェックセキュリティー・チェックを済ませ、搭乗開始。
今回、搭乗時のポジションが搭乗口だったので、パーサーと並んでお客様をお迎えしていたのですが、
搭乗口に立つ私を見て、沢山のお客様が、
びっくり??? この飛行機・・・リマ行きですよね???」
と心配そうに尋ねていらして・・・このパターンは初めてでした (*^-^*)
 
リマまでの飛行時間は12時間30分。
 
 この日、エコノミークラスは満席でしたが、ビジネスクラスはがらがら・・・
休暇で3ヶ月ペルーへ行くというオランダ人の同僚(男性)が友達(男性)を連れて乗って来たのですが、エコノミークラスは満席でしたので、自動的にビジネスクラスに。
飛行時間も長いし、アップグレードしてもらえてよかった!
 
・・・と私達も喜んでいたのですが、エコノミークラスは満席で大忙しだというのに、
「ビジネスクラスはサービス中で悪いから、代わりにちょっと写真撮ってくれない?」
と頻繁にカメラマンを頼まれ・・・(;-_-;)
 
確かにサービス中ですが、この日非常に空いていたビジネスクラスでは、CA2人に対して6名しか乗客いなかったんですから・・・(^^ゞ
満席で、CA1人あたり50人近く担当しているエコノミークラス担当の私達もサービスの真っ只中で、こちらはマジで忙しいのにxxx
・・・もちろん写真はニコやかにちゃんと撮って差し上げましたが。
 
キャビンの状況を判断できない=キャビン・クルーではなくコックピット・クルー???
だったら仕方がないか~(^^;)
と思っていたのですが、
聞いてみたらキャビンの同僚だとのこと・・・
同じキャビン・クルーなのに、状況がわからない彼にちょっとガックリ ε-(-_-;)
 
飛行時間が長いので、最初のサービスの後、前半後半に分かれて3時間ずつ休憩を取ることになりましたが、
いつものことながら、私は OCR (=Overhead Crew Rest) には行かず、お食事レストランをしたり、お食事レストランをしたり・・・お食事レストランをしたりしていました(笑)
 
ボーイング777のエコノミークラスにはギャレーが2つあって、各ギャレーにCAが3人ずつ入るので、
休憩時には、前のギャレーから2人休む時は後ろのギャレーからは1人、後ろのギャレーから2人休む場合は前のギャレーからは1人、休憩に入る
というふうに、
常に、前後のギャレーから合わせて3人が休憩に入り、3人がギャレーに残る
・・・ようにお互い相談して、休憩を取ります。
 
前のギャレーでは私1人が休憩中で(=つまり、前のギャレーには2人残っている)、後ろのギャレーにはナーディア1人しか残っていなかったので、
食後にちょっと後ろのギャレーにおしゃべりに行くことにしました。
しばらくして、トレイ・ドリンク(=トレイにジュースetc.を注いだグラスを並べてお客様にお配りする)の時間に。
2人休憩に行ってしまって1人しか残っていないギャレーには、通常、シニア・パーサーあるいはジュニア(アシスタント)・パーサーのうち休憩に入っていない方がお手伝いに来てくれることになっています。 その時、休憩でなかったのはシニア・パーサーのヘニー。 
 
休憩中の私は、(OCRに寝に行くか行かないかは自由だけれど)規則上、仕事はしてはいけないことになっているのですが、
たった1人でトレイにグラスを並べ、ジュースを注ぎ、トレイ・ドリンクの準備をしている同僚を放っておくわけにはいかず・・・
まず、エコノミークラス前方のギャレーに(→このギャレーの横にPWS =パーサー・ワーク・ステーションがあるので)ヘニーを探しに行ったけれど見付からずxxx
ビジネスクラスのギャレーも見に行ったけれど見付からずxxx
 
そんなことしているうちにサービスの時間に・・・
後ろのギャレーに戻ってナーディアを手伝うことにしました=私がギャレーでトレイを準備して、ナーディアが配る。
ナーディアがエコノミークラス後方の左側のサービスを終えた頃、やっとパーサーのヘニーがギャレーに。
コックピットでおしゃべりしていたらしい・・・(;-_-;)
そして私を見た途端
「misae! あなたは休憩中なんだから働かないで! 規則なんだから、誰かが会社に通報でもしたら私も責任を問われることになって困るわ!」
 ・・・(-_-|||)
「ごめんなさいね、トレイ・ドリンクの時間をすっかり忘れていて・・・休憩中だというのに、代わりに手伝ってくれてたのね、ありがとうmsiae!」
・・・じゃないのね。
 
確かに規則は規則ですが、通常3人で担当するエリアをたった一人でカバーしなければならない同僚を目の前にして、休憩中だから何もしないで見てるだけ
・・・なんてことができる人は、チームワークが大切なこの仕事に向いているとは思えません。
一応規則を考慮して、(お客様からは見えない)ギャレーでトレイを用意するだけに留め、キャビンに出て配ったりはしなかったのだし・・・
 
それに第一、パーサーがちゃんと時間通りに手伝いに来てくれていたら、私は手伝わなくてもよかった訳なので、
彼女の言葉は非常~に腑に落ちませんでした。
が、パーサーに対して
「あなたが時間通りに来なかったからでしょ?激怒
とは、さすがに言えないので、
「規則はわかっていますが、彼女一人でこのサービスをこなすのはとても無理だと判断しました。
 彼女がもし一人でなかったら(=あなたが時間通りに来ていたら)手伝っていませんでしたヨ。」
と遠回しに、言っておきましたが・・・
 
笑顔を絶やさないパーサーで、印象良かったんだけどなぁ・・・
でも、他の同僚達が言うには、
「どうしていつもニコニコしているのかわからない。 なんでもない時にもニコ~っとされて、その笑顔の裏で何を考えているのか、全然理解できない。」
らしい・・・
(私を含め、日本人もよく理由なくニコニコしていると思うので、ちょっとドキッとしました・・・(^^ゞ)
 
ペルーのお客様は、私に対してもごく"普通に"、スペイン語でお話しされます。
ペルーのお客様に限らず、大抵の場合、スペイン語圏のお客様はスペイン語フランス語圏のお客様はフランス語ドイツ語圏のお客様はドイツ語で、"普通に"話しかけてきます。
日本路線では、外国人のお客様は皆さま英語を話されるし、日本人のお客様も、オランダ人クルーに対して"普通に"日本語で話しかけたりはしない、努力して英語で話されていると思うのですが、
オランダ人が語学に優れているからか、オランダベースになってから、他の国々への便に乗務すると、お客様が"普通に"自分の言葉で話しかけてきて面白いです。
お陰でスペイン語も随分わかるようになりました(笑)
 
今回なぜかフィンランドからの団体客が乗っていらして、ワインやカクテルを飲むわ飲むわ ワイングラス
でも、さすが北欧の方、お強い。 全然酔っている風ではありませんでした(感心)
 
住んでいるのはリマだけど、本当はイタリア人だというおばあちゃまとは少しイタリア語でお話ししました。
イタリア語は(かれこれ22年程前になりますが)東京で初級コースを終了して、日常会話くらいはできたのですが・・・使わないとどんどん忘れますねxxx
 
リマ到着後、出口のところでご挨拶していたら、
フィンランド人のお客様方が
「君のお陰で、いつもとは違う、本当に快適なフライトになったよ、どうもありがとう!」
と両手を添えて握手して下さり、
先程のイタリア人のおばあちゃまは、姿が見えなくなるまで何度も何度も振り返りつつ、イタリア語
「本当にどうもありがとう」
を、何度も何度も繰り返して下さって、感激しました (>_<。。。
 
喜んでいただけてよかった!
 
クルーホテル到着後は、シャワーを浴びた後、いつものようにクルードリンクに参加した後、休みました。
ペルーには、CAはカメラやコンピューターを持って入れないことになっているので、写真は全て携帯電話のカメラ機能で。
(引越しの片付けが終わり次第アップしますネ)
 
翌日は、朝食後、ビジネスクラス担当だったマルロンと一緒に、まずインカ・マーケットへ。
その日(3月15日)誕生日だったミハーリ(14歳になりました)へのプレゼントを探しました。
ペルーといえば、ナスカの地上絵。 それが、ちょっとポップな色調で描かれた30cm四方くらいの絵を見つけたので、それに決めました。
マルロンは、ショールとロウソクを買っていました。
一旦ホテルに戻って荷物を置いた後、他の同僚達が朝食後(・・・といっても朝食が終わったのはお昼近くでしたが)すぐに向かったビーチへ。
遅め(=午後3時過ぎ)のランチに合流しました。
イカやタコ、エビのお料理も美味しかったですが、私が一番気に入ったのは、前回食べそびれたペルー料理のセビッチェCebiche
激ウマでした!(>_<。。。
 
ランチの後ホテルに戻り、まだ午後6時なのに、ほとんどの同僚達はもう休むとのこと・・・時差(=オランダ時間マイナス6時間=日本時間マイナス14時間)のせいで(→オランダ時間では確かに午前0時過ぎ)、もう眠いのだそう・・・ちなみに日本は翌朝の8時過ぎで、そう考えたら私はすっかり目が覚めてしまいました(笑)
仕方がないので、部屋でテレビを見ることに。
 
残念ながらNHKは受信されていなかったのですが、日本のアニメ(=『ポケモン』『カードキャプターさくら』などなど)が沢山やっていて、スペイン語でしたが結構わかったので、ついつい見入ってしまいました。
チャンネルを変えたら、山小屋の中で小熊に襲われそうになっている子猫の映像が・・・勇敢にも威嚇して、小熊が退散すると、今度は木の上で蛇に襲われ・・・威嚇しているうちに木の枝が折れ、落ちたところが大きな穴の中・・・(本当に災難続きxxx)
ジャンプしてもジャンプしても届かず・・・と、そこに通りかかった子犬・・・子犬が穴の中に落とした木の枝を伝って上に上ろうとする子猫・・・惜しいところで穴から出られない・・・次に子犬が持ってきたのはロープ(←賢い!)・・・ロープを穴の中に投げ入れ、それに子猫がつかまり、反対側を子犬がひっぱり・・・ついに脱出成功!
すっかり仲良くなった子猫と子犬・・・が、そこに美しい真っ白なメスの子猫登場・・・寂しそうに立ち去る子犬・・・
大自然の風景が、なんとなく北海道に似ているなぁ・・・と思って見ていると、丹頂鶴の映像が・・・やっぱり北海道に違いない! 懐かしい・・・!
すると今度は日本語の詩が画面に。
子供が大人に変わっていく様子を詠った、心打たれる詩でした。 
詩に合わせて、スペイン語訳の音声が入っていました。
子猫は成長し、白猫との間に子供が生まれ・・・季節は巡り、キタキツネが登場して場所が北海道であることに確信を持って、最後まで見てしまいました。
最後にタイトルが出ました・・・
『子猫物語』 監督: ムツゴロウ(畑畑正憲)
        音楽: 坂本龍一
        詩: 谷川俊太郎
        朗読: 小泉今日子 
             
その翌日も、朝食後、インカ・マーケットへ。
マリアにも何かお土産をと思い、木の実で作られたビーズのキーホルダーを買いました。
あとは、引越し先のご近所さん達にクスコの街で作られているという色鮮やかなロウソクを(→新居のマンションは13世帯あるので、12本)購入。
 
ホテルに戻って、プールサイドで皆でランチをしたあと、Callingまで仮眠を取りました。
 
帰りの便は幾分空席があり、また、夜間フライトだったのでお休みになるお客様も多く、楽だけれど、やることが少なくてちょっとつまらない(?)フライトでした。
休憩中はコックピットに星を見に行きました。
同僚に獅子座獅子座の人が多かったので、獅子座の見つけ方を教えてあげたりしました。 獅子座の1等星レグルスのすぐ横に土星が見えて、とても綺麗でしたヨ♪
 
次のフライトは来月に入ってから・・・それまでは引越しに専念します。
 
 

フライト日記 (Lima)」への2件のフィードバック

  1. misaeさん、おひさしぶりです(^-^)お仕事を楽しんでいらっしゃいますね接客のお仕事の醍醐味は誠心誠意を尽くして応対した結果、満面の笑みで喜んでいただけることですものその点misaeさんはパーフェクト!!いつも素晴らしいお仕事ぶりに感心しています顔で笑って心で・・・は簡単じゃないですものね?(微笑)でも私も「いつもニコニコして何を考えているのか・・・」にはドキッ★気をつけなくては(--;)

  2. >Aアヌークさんお久し振りです。 コメントありがとうございます (*^-^*)そうですね、例え「ありがとう」と言われなくても、ベストを尽くせたフライトを終えた時は、とても感動するのですが、(→多分、丁度、ショーが終わって舞台の上でお辞儀をする役者とか、受賞曲を歌い終えた歌手とか、と同じような気分?)「ありがとう」と言っていただけると一層感激します。(→多分、丁度、コンサートの後に拍手の他に「ブラボー!」という歓声をかけてもらった演奏者ような気分?)>でも私も「いつもニコニコして何を考えているのか・・・」にはドキッ★気をつけなくては(--;)恐らくこれって、日本人に共通して言える曖昧さというか・・・難しいですよね。でも、いつも怒った顔をしているよりはいいんじゃないでしょうか(笑)

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