2009年
(MEX)
久し振りのメキシコ便。
最後に乗務したのがいつだったかは例によって思い出せずxxx
(会社から毎月配布される乗務記録シートは、20年前のファーストフライトからずっとファイルしてあるので、それを見ればいつだったかわかるのですが、なかなか時間がなくて・・・(^^ゞ)
行きは乗客として搭乗するデッドヘッド(Dead Heading/Deadhead Crew)。
私服で行ってもよかったのですが、メキシコ入国時に制服でないといけないことになっているので、機内で着替えるのが面倒で、最初から制服で出社しました。
最初は私一人だけがデッドヘッドなのかと思ったら、前回のアクラ便の帰りにオフィスで確認したところ、デッドヘッドは4人いるとのこと。
じゃあ、行きと帰りで機種が異なる為の追加要員なのかな・・・
と思っていたのですが、結局ボーイング747-400型機コンビ(=機体の後部が貨物室になっている飛行機)のキャビン・クルー全員(=9名)がデッドヘッドでした。
全員がデッドヘッドということで、パーサーの意向で私達もブリーフィングをすることに。
制服と私服が混ざった珍しいブリーフィング。
最初に、キャビン・クルー全員がデッドヘッドでメキシコに送られる理由が説明されました。
『新型インフルエンザ』(→オランダでは『メキシコのインフルエンザ』と呼ばれています)の流行により、
2泊4日だったメキシコ便のスケジュールが1泊3日に変更されていたのですが、
安全宣言に伴い、丁度その日出発の便から、スケジュールが元の2泊4日に戻ることになり、
つまり、その日乗務をしてメキシコに到着したクルーは2泊することになった訳です。
しかしながら、メキシコ便はデイリーですので、その翌日にもメキシコに到着して折り返しオランダに戻る便がある訳で、
その便に乗務するキャビン・クルーが必要となる為、私達がデッドヘッドでメキシコに送られ、メキシコに1泊だけして翌日の便に乗務して戻ることになった・・・
のだそうです。
ブリーフィングの後は、私服の同僚達は一般の乗客と同じルートでゲートへ向かい、私を含めて制服を着ていた同僚達は、乗務の時と同じルートでゲートへ。
ボーディングは始まっていませんでしたが、制服着用の私達は、乗務する同僚達と一緒に先に機内へ・・・制服の上着だけ脱いで、私服のジャケットを羽織り、着席。
全員ビジネスクラス(→2階席の後方)です。
乗務でない時の楽しみは、機内食(←乗務の時も楽しみですが・・・(^^ゞ)。
6月からメニューがまた新しくなりました。
今度は、Jeunes Restauranteurs d’Europeの一つでもあるオランダのレストランDe Beukenhofと提携したメニューです。
南アフリカメニューも非常に美味しかったですが、こちらもまた面白いメニュー。
マグロにわさびソースという和風の前菜の後、主菜にはタイカレーを選びました。
デザートはマンゴーのムース・・・どれも、と~っても美味しかったです

食後は休もうと思っていたのですが、ついついまた機内映画を観てしまいました。
今回観たのは、
『He’s Just Not That Into You』・・・なかなか良かったです。
『Body of Lies』・・・う~ん・・・俳優は良かったけれど、内容は・・・あんまり好みではなかったです。
『Taken』・・・スリル満点でした・・・娘がいる人は尚更、心臓ドキドキだと思います・・・マリアが中学生になったら一緒に見て話し合いたいと思いました。
そして
『愛を読むひと』・・・到着間近となってパーソナルビデオシステムが終了してしまい、後半30分くらい観られませんでしたxxx 主人公の少年がミハーリと同世代なもので、なんとも・・・(^^ゞ
でも、後半がとても良いとの評判なので、次回続きを観たいと思っています。
メキシコ到着前に、「デッドヘッドクルー全員、目を通すように」と会社からパーサーに渡された一枚の手紙が回ってきました。
『新型インフルエンザ』に関する注意事項です。
「オランダ帰国後、4~7日以内に、咳が出たり、37.5度以上の熱が出た場合は、直ちにホームドクターに行くこと。」
オランダ人の平熱は37度ですから、37.5度といったら、本当にほんのちょっとでも体温が上がったら、ホームドクターに行かないといけないことになります。
頭にインプット。
下降体制に入り、シートベルト着用のサインが付く頃には、デッドヘッドクルーも全員制服姿に。
到着後、飛行機を降りる時に、(いつの間にかビジネスクラス後方を占領した)制服姿の私達9名を見て、ビジネスクラスお客様がビックリされていました(笑)
クルーホテルは、シェラトンホテル。 20年前からクルーホテルが変わっていないのは、恐らくここメキシコだけではないかしら・・・
でも、宿泊する棟が変わっていました。
お部屋に入った途端、バスルームから、お隣りさんがお手洗いを使っている(ぷぅ~~~っ!という
)音が・・・

バスルーム同士の音が聞こえやすいのは、まぁ、よくあることなので、自分も注意せねばと肝に銘じました 

ところが、お隣りさんの音が聞こえやすいのは、バスルームだけではなかったのです 

夕食後(→ちなみに夕食はホテルの近くのレストランでいただいたのですが、これまたとっても美味しかったです。 ライブのメキシコ音楽もすごく良かった♪)、
いざ寝ようと思ったら、お隣りさん、咳が酷くて・・・
本当に一晩中、頻繁にむせ返るほど酷い咳で・・・聞いているこちらまで息苦しくなって眠れず ( ̄_ ̄|||)
お隣りさんが『新型インフルエンザ』だった場合、感染の危険はあるのだろうか・・・

とか、いろいろ考えているうちに朝になり、
「これからチェックアウトに降ります」
という声が聞こえてきて(←電話の声もつつぬけ (;-_-;))、
間もなくお隣のドアの音がしたので、ついついドアの覗き穴から見てしまいました。
黒いスーツケースをひいたスーツ姿の男性の後姿が見えました。
15分くらい後に朝食に降りたのですが、やはり気になって、フロントに立ち寄って
「xxx号室の者ですが、15分くらい前にお隣りのxxx号室の方がチェックアウトされたと思うのですが、
(フロントの人がコンピューターで確認して頷く)
昨晩、一晩中、激しく咳き込んでいらっしゃいました。
単にお風邪を召していらっしゃっただけなのかもしれませんが、
万が一『新型インフルエンザ』に感染されていらした場合に備えて、
お掃除に入られるハウスキーピングの方の為にも、
その旨お伝えしておいた方がよいかと思い、
こちらに報告させていただきました。」
と伝えてからレストランへ。
どこのクルーホテルにも、"KLMクルーが集うテーブル"のようなのがあって、そこにジョイン。
お互いに
「良く眠れた?」
と聞くのが挨拶代わりです。
お隣りの宿泊客の『新型インフルエンザ』疑惑の話をすると、
同僚達 「え~
何階??」

私 「8階」
同僚達 「よかったー、違う階だ・・・ε-(^。^;)ホッ」
私 「隣りは危険かしら・・・
」

同僚達 「・・・」
新鮮な果物がズラリと並んだビュッフェ式の朝食。
パパイヤが美味しかったです。
サボテンジュースはイマイチ・・・
メキシコ風の朝食メニューはどれもスパイシーで美味しかったです。
食事の後は、同僚達と近くのマーケットへ。
オランダに戻った日に、日本語補習校で仲良くさせていただいていたご一家のお別れ会(←赴任の任期が終わって日本に本帰国されるのです)があるので、
そのご一家と、お別れ会に出席される方々に、何かお土産を・・・と思って、一緒に行ってみました。
これも『新型インフルエンザ』の影響でしょうか、いつも観光客で賑わっていた100軒以上のお店が入った広~いマーケットも、今回はガラガラ・・・恐らく客は私達しかいませんでした。
お別れ会用のお土産に、素敵な焼き物のお皿を購入。
ホテルに戻り、昼食(またメキシコ料理)を頂いてから、いつものようにCallingまで仮眠を・・・
取りたかったのですが、今回は本当にアンラッキーで・・・(T_T)
寝ようとしたらどこかから、
ドンッ! ドンッ! ドンッ! ドンッ! ドンッ!
と、壁を金槌か何かで叩いているような音が・・・
しばらくしたら収まるかも・・・という期待は見事に破られ、30分経っても騒音は続き・・・
思い余ってフロントに電話。
「今晩、夜間の乗務なので、Callingまで仮眠を取りたいのですが、どこかでどなたかが壁を強く叩いているようで、眠れません。
なんとかしていただけないでしょうか?」
とお願いすると、しばらくして音は止み、ホッとしてウトウトしてきたころに・・・(-_ ゞゴシゴシ
今度は
ガチャンッ!!
という(ドアが開いてチェーンキーが掛けてあった為に激しい音を立ててドアが止まった)音が・・・

ハウスキーピングが間違って入ってこようとしたのか、なんだかわかりませんが、
とにかく(丁度ウトウトしてきていたところだったこともあって)心臓が飛び出るほどビックリして、それ以降もう眠れませんでしたxxx
出発前にロビーで集合し、シニアパーサーに
「前夜も、そしてCalling前も眠れず、睡眠が不足しているのを感じる。
乗務できない訳ではないが、いつものフライト前と比べると、体調は思わしくない。」
と正直に伝えました。
私の隣りの部屋だった(←『新型インフルエンザ』疑惑の宿泊客とは反対側のお隣り
)ジュニアパーサーのマルゴーが

「あなたの隣りの部屋の騒音、あれは、新しい風呂桶の設置工事よ!
私が部屋に戻った時、新しい風呂桶が運び込まれたのを見たわ!
幸い私の部屋では、眠れない程の騒音ではなかったけれど、すぐお隣のあなたの部屋は煩かったでしょう・・・
クルーホテルとして指定されているホテルなのだから、
Calling前にあんな騒音を立ててはいけないことはわかっているはず。
それに、ドアには『Don’t Disturb』カードを掛けていたのでしょう?
なのにハウスキーピングが入ってこようとした、というのもおかしい。
フロントに文句をきちんと言っておいた方がいいわ!」
と一緒にフロントまで文句を言いに行ってくれました。
寝不足には強い私ですが、このところ(自分の引越しや実家の引越しで)忙しい日が続いていた上、
現地に1泊しかしないスケジュールで、唯一の夜にきちんと睡眠が取れず、しかもCalling前の仮眠も取れていないとなると、
やはり流石にキツイです

乗務には、いつでもベスト・コンディションで臨めるよう努めていましたから、予定外の睡眠不足は本当に無念でした。
が、頑張って気持ちを盛り上げて、飛行機へ。
お客様が乗っていらっしゃると、自然と笑顔になって、その笑顔からエネルギーが体内に広がるかのように自然と元気になっていくのは本当に不思議です。
相棒のイヴォンヌも、とてもリラックスした、非常にチームワークを組みやすい同僚だったので、助かりました。
本当に同僚に恵まれた職場だとつくづく思いました。
次のフライトは・・・明日からシンガポールです 

追伸 アムステルダムに戻ってから4~7日間後、熱も咳も大丈夫でした

接客のお仕事ってそうなんですよね?お客様が前にいると<自然と笑顔>になれるものです。→これぞプロフェッショナル?(微笑)それにしても連日の寝不足はお話を聞いただけでもかなりの辛さだったかと・・・健康体でなければ納得のいくお仕事が出来ないだけでなく楽しく過ごせませんからmisaeさん、これからも体調管理はしっかりとネ!(これは自分にも言っています)感染していなくて良かったですね(^-^)
>Aアヌークさんお返事が遅くなってごめんなさい!コメントありがとうございます。 勉強でも運動でも仕事でも、体調が悪いと実力が出せませんものネ・・・体調管理は本当に大切だと思います。インフルエンザ、私が感染したら=子供達にも感染させてしまうかもしれないので、感染してなくて、本当によかったです!