フライト日記 (Tehran)

2009年3月
(IKA)
 
この頃毎年一度はアサインされる(オランダ人クルーの不人気路線の一つ)テヘラン便
確かに滞在中の自由は利かないし、何かと不便ですが、
機内での仕事は(他の路線同様)楽しいので、私は全然気になりません・・・ (*^-^*)
 
機種はMD-11。 
担当はエコノミークラス=沢山歩けるのでダイエットに最適(笑)
満席。
 
お客様のご搭乗が始まると、最初に車椅子のお客様が乗っていらっしゃいました。
そういえば、テヘラン便は、車椅子のお客様が多いので有名なのでした。 
以前20名以上車椅子ということもありました。
 
車椅子でいらしたお婆ちゃまのお一人が、パーサーと何やら揉めている様子。
聞いてみると、
「今から2時間後(=飛行中)に飲まなければならない腎臓の薬をキャリーバッグに入れたまま預けてしまった」
とのこと。
(そんな大事な薬をどうして預け入れの荷物の中に入れるかなぁあせあせ(飛び散る汗)
 
キャリーバッグは既に貨物室に運び込まれてしまっているだろうし・・・
搭乗完了したらすぐに出発しないとディレイしてしまうし・・・
 
パーサーが(同じ薬を空港で準備できればと考え)薬の名前を聞くと
ハンドバッグから薬の瓶を取り出し、ラベルを見せて、これと同じ物だとお婆ちゃま。
中に薬が入っているようだったので、パーサーが
「この薬だけでは足りないのですか?」
と聞くと、足りないのだそう。
 
パーサーが地上職員と連絡を取っている間、
搭乗されてくる他のお客様のキャリーバッグを見ながら、お婆ちゃまがしきりに
「アメリカ国内とアメリカからオランダまでは、キャリーバッグを機内持ち込みにできたのに、
 この飛行機に乗る時だけ、預けるように言われた。」
とおっしゃるので
「それは残念でしたね・・・
 航空会社によって機内に持ち込める荷物のサイズや重さが微妙に違ったりしますからね・・・
 でもどちらにしても、常備薬の様な大切な物は、ハンドバッグに入れておかれた方が安心ですヨ」
と申し上げると
「でも、他の乗客が持ち込んでる荷物と同じ大きさなのに・・・」
(・・・確かに他のお客様が持ち込まれているキャリーバッグも規定より大きいようなあせあせ(飛び散る汗)
 
地上職員と無線で連絡を取っていたパーサーが戻って来ました。
「貨物室からお客様のキャリーバッグを探し出して、これからこちらにお持ちすることになりました。」
 
わざわざ貨物室からキャリーバッグを探し出して持って来てくれるなんて、すごい!!
あぁ、でもこれでディレイだろうな・・・(^^ゞ
でも!地上職員のサービスマインドにちょっと感動しましたぴかぴか(新しい)
 
私 「よかったですねぇ! これでお薬も取れますね!!」
婆 「キャリーバッグ、そのまま機内に置いておいていい?」
私 「それはパーサーに確認してみないと・・・」
 
なんだかお婆ちゃま、薬よりもキャリーバッグの話ばかりでたらーっ(汗)
お気持ちはわかりますが・・・今は薬の方が大事なのでは・・・(^^ゞ
 
婆 「キャリーバッグ、まだ?」
私 「本日は満席ですから、
   285名分の荷物の中からお客様のキャリーバッグを見つけ出すのは、
   簡単な作業ではないと思いますよあせあせ(飛び散る汗)
 
大変な作業をさせて申し訳ないとか、
わざわざそんなことして頂いてありがたいとか、
自分のせいで飛行機が遅れて申し訳ないとか、
そういうことは全く思わないのね、お婆ちゃま・・・
 
そしてようやくお婆ちゃまのキャリーバッグが運び込まれました。
デカイ!!
これは預けないとダメでしょう、お婆ちゃま・・・(^^;)
 
パ 「では、急いで薬を取り出して下さい。 その後、また急いで貨物室に戻さないといけませんから。」
婆 「飛行機の中に置いておいちゃダメなの?」
パ 「セキュリティーチェックが済んでないのでダメです。 それに時間もありません。」
 
しぶしぶキャリーバッグのファスナーを開けるお婆ちゃま。
保安のこともあって、傍で様子を見ていたのですが、
大きく開けた方が薬も探しやすいのに、何故か、ほんのちょっとしか開けないで、
なんだかコソコソ様子がおかしい・・・
さっきパーサーに見せた薬の瓶をキャリーバッグに入れた?!
で、すぐまた取り出して・・・
結局あとはスカーフを取り出しただけ?!
 
なんで??? 2時間後に飲まなきゃいけない薬は???
 
一緒に様子を見ていたオランダ人の同僚が
「やっぱりね、薬なんて嘘だと思ってた・・・ε-(-_-;)」
と一言。
 
えーーー???
じゃなに、ただ、キャリーバッグを機内持ち込みにしたかったが為に嘘を???
 
信じられん(O.O;)
 
という訳で、無駄にディレイしましたが、到着は定刻。
お客様が降りられた後に、ヒジャーブとアバーヤを着用し、降機。
 
空港はものすごい人で、カオスでした・・・どうして列を作らないのかな・・・
列を作る国と列を作らない国がありますよね。
 
クルーバスに揺られて約1時間。
クルーホテルに到着。 
狙撃事件のあったホテルから、別のホテルに変わっていました。
ヒジャーブとアバーヤを着用しなくてもよいクルー専用フロアは3階。
フロアマネージャーは、前のホテルにもいらした方で、私を見た途端、メモを見ながら
「こんばんは!」
と挨拶して下さいました。
(昨年、一昨年と2連続でテヘラン便が付いた時に、日本語を教えて欲しいと言われて、挨拶だけメモに書いて差し上げたのです。)
 
とってもモダンなホテルで驚きました。
 
真夜中の到着だったのと、アルコールも飲めないということで、クルードリンクはなし。
翌日は、クルールームで朝食をとった後、同僚達とDVDを観ました(=いつものテヘラン・ステイのパターン)。
そして夕食もクルールームで。
折角なのでイラン料理を注文しました。
Joスープ(=大麦のスープ)とNargessi(=ほうれん草のバター炒め)を頂きました。
美味しかったです♪
 
Callingが午前0時25分、PickUpが午前1時25分。
帰りのフライトは夜間フライトなので(=お客様も皆様お休みになるので)、楽です。
1時間の休憩時間もありましたが、私は眠らずに、コックピットに星を観に行きました。
火星は丁度沈んでしまった後でしたが、土星はよく見えました。
 
機長は、よく知っているシャルロット(←女性機長です)。
操縦士は二人ともiphoneをお持ちで・・・
iphoneには星座早見盤も付いているのですねぇ!!
それに現在地と現在地の現地時間を入れると、まさに今見えている星座が画面上に!ぴかぴか(新しい)
私もiphone欲しくなってしまった(笑)
 
iphoneの星座早見盤では既に沈んでしまっているはずの月夜がまだ見えるというので、
操縦士二人で何やら計算して(紙には1.3√hという計算式が・・・)
地上ではもう見えない月が、どうして飛行機の上からだとまだ見えるのかを説明してくれました。
 
アムステルダム到着後は、
このユニフォームでの乗務はこれが最後になるので、
女性CAだけで沢山記念写真を撮りました。
操縦士も女性だけユニフォームが新しくなるので、機長のシャルロットとも一緒に写真を撮っておきました。
 
次のフライトはバンクーバー便
新しいユニフォームを着ての初フライトです。
 
 
 

フライト日記 (Tehran)」への2件のフィードバック

  1. あらまあ、キャリーバッグのために皆さんを振り回すなんて困ったお婆ちゃまでしたね~でも、そういった時に怒ることが出来ないのがサービス業・・・お疲れさまでした(^^)機内から星座を楽しむなんて考えたことがありませんでしたよ!コックピットでの星座鑑賞会って素敵ですね~☆難しい計算式は・・・ですが私もiphoneに興味がでてきました(微笑)

  2. >アヌークさんこのお婆ちゃまには、怒るのも呆れるのも通り越して、ある意味、感心しました。そういう作戦を思いつくというだけで、なんかスゴイです。コックピットからの星空は格別ですよ~☆仕事はCAの方がいいですが、窓から見える景色はパイロットには敵いません。

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