フライト日記 (Beijing) その1

2011年2月
(PEK)

冬の休暇(2月20日~3月15日)に入る前の最後のフライトは北京便でした。

前回の北京フライトは確か北京オリンピックの直後だったので、約2年半ぶりくらいでしょうか。

オランダの鉄道はダイヤが乱れることが多いので、少し早めに空港へ向かい、
パーサー達に挨拶。
予想通りLocal CA (=中国路線の場合は中国人CA)だと思われ、英語で話しかけられる・・・(笑)
「あ・・・私は中国人ではなく日本人(*^-^*)」
「?? あ~! あなたはパーティーでピアノを弾いた人ね!」
会社のパーティーで、オランダ人ピアニストのヴィビ=スルヤーディと連弾したのは、もう3年以上前になるけれど、今でも覚えていてくれる同僚が多くて、なんだか光栄です。
(その時のビデオは、左の『写真と動画』のリンクからYouTubeでご覧頂けます♪)

早めにブリーフィングルームへ行って会社からのお知らせ等を読んでいると
(3月末以降の夏のスケジュールのお知らせによると、東京便の3泊5日、4泊6日のスケジュールはなくなってしまうらしい・・・結局1度も頂けなかった・・・悲)
中国人の同僚達3人が入ってきました。

(日本路線もそうですが、Local CAが乗務している路線では、Local CAは現在通常1便に3名乗務しています←ちなみに、私が日本人CAとして乗務していた頃は、Local CAが乗務していたのは日本路線だけで・・・あとはブラジル路線と香港路線にインタープリターが1名乗っていました・・・バブリーな時代だったので、1便に日本人CAが5名も乗務していました)

私を見た途端
「???」
という表情の中国人の同僚達(笑)
「はじめまして、私は日本人のmisaeです」
と挨拶すると
「あ~! あなたの元旦那さんと年末に一緒に乗務したあるよ(←なんて日本語で言ったりはしていません、英語です)」
そうだった、元夫は丁度クリスマス頃に北京便に乗務していたんだった・・・
「離婚した後1年付き合ったけど、また最近別れたって話してた」
はい、その通りです(笑)

次に入ってきたオランダ人同僚エイミーは、インドネシア系で、これまた一見中国人。

全員揃って、ブリーフィングが始まってすぐに、オランダ人CAの一人から
「いつもはLocal CAは3人だけなのに、どうして今日は5人もいるの???」
という質問が(笑)
「私達は中国人じゃないのよ(笑)」
とオランダ語で答えるエイミーと私。

今回のブリーフィング、いつもと違って、パーサーが一人一人に
「自分が一番嫌だと感じることは何か」
を自己紹介がわりに話してもらう、というものでした。
1番多かったのが『自己中な人/他の人のことを考えない人達』。
「そういう人達を教育するのは私達の仕事ではないが、他のお客様の為に、きちんと注意するように」というパーサーの指示がありました。
私は
「不満を本人に直接伝えずに別の人に陰口を言うこと」
と答えました。 
誰かに対して何か思うことがあったら、良い事も悪い事も、きちんと本人に正直に伝える・・・というのが、チームワークにおいてものすごく大切なんじゃないかな・・・と思うのです。
良くない事の場合、言い辛いこともあるかもしれませんが、本人に言わずにいて不満が積もり、本人ではなく他の人に陰口を言うというのは最悪だと思っています。 これではチームワークは成り立ちません。 
だから私は相手がパーサーや機長でも、「それはおかしいのではないか?」と思うことがあれば、正直に自分の意見を伝えます。 誠意を持って話すので、(話をした時点では意見が対立してしまうこともありますが)気持ちはきちんと伝わり、同僚としての関係もかえって深まる事が多いと思います。
エイミーも私と同じことを答えていました。

フライトセイフティー関連では、機内でのコンピューター火災の消化方法に関する話がありました。
機内でノートブックコンピューターを使うお客様が増え、機内でのコンピューター火災も増えているとのこと。
コンピューターから火が出た時には、
① ハーロン消火器で火を消す
② 電源のコンセントを抜く
③ コンピューターに水をかける
(水をかけておかないと、内部が熱くなっている為、再び出火してしまうそうです( ̄□ ̄|||))
勉強になりました・・・φ(.. ) メモメモ

ブリーフィングを終えて飛行機へ。
機種はボーイング747-400型機。
担当はエコノミークラス。 満席。
4~5ギャレーと呼ばれる、2階席への階段とエレベーター脇にあるギャレーにアサインされました。 エコノミークラス中央部を担当します。
普段はビジネスクラスか、エコノミークラスでも最前方エリアを担当することが多いので、このギャレーにアサインされたのは何年ぶりでしょう・・・10年以上ぶりかもしれません。(記憶が悪いので思い出せませんxxx)

相棒は、来月結婚式を控えたシルヴィア。
とても明るく良い子なのだけれど、おしゃべり好きで、同じくおしゃべり好きのシニアパーサーのアネリースがギャレーに遊びに来ると、仕事を忘れておしゃべりに夢中になってしまう・・・(^^;)
トローリーの準備を彼女の分と2人分するのは全く構わなかったので何も言わなかったのですが・・・
ミールサービス中、ビジネスクラス担当のヴィルマインがシルビアのエリアを手伝ってくれた為(←ビジネスクラスは満席ではなかったので、エコノミークラスよりも先にサービスが終わり、1人がエコノミークラスを手伝いに来てくれたのです)、
一人だけ先に担当エリアのサービスを終えてギャレーに戻ったシルヴィア。 私がシルヴィアだったら、ギャレーに戻る前に、反対側の通路でサービス中の相棒に「手伝うことはないか」「足りなくなっているものはないか」聞き、何もなければ、今度は一つ先のワーキングエリアの同僚に声を掛けて、必要なら手伝い、ギャレーに戻るのはエコノミークラス担当の同僚達全員がほぼービスを終えるのを確認してから・・・なのですが、シルヴィアは誰にも声をかけずにギャレーに戻ってしまった・・・
もしかしたら、先にギャレーで、コーヒー&リキュールサービスの準備をしてくれているのかもしれない・・・と思いつつ、残った同僚達で助け合いながらミールサービスを終え、ギャレーに戻ると、
シルヴィアはシニアパーサーのアネリースとおしゃべりしていて何の準備もしてないxxx
「自分のエリアが終わっても、まだ終わっていない同僚の手伝いに戻ってきて欲しかったな・・・」
と伝えると、アネリースが
「シルヴィアはたった今戻ってきたところヨ」
と答えるので
「それはあり得ない、シルヴィアはヴィルマインが手伝っていたので、大分前に一人だけ先にサービスを終えていたはず。」
「手伝ってもらったのは私だけだったの?」
とシルヴィア。
(ギャレーに戻る前に他の同僚達の様子を伺っていたらわかることなのですが・・・(-_-;)
(アネリースも他の同僚達がサービスを終えてないのを察知して、シニアパーサーとしてシルヴィアに手伝うように促すなりしてくれたらいいのになぁ・・・←でも、これは結構よくある=忙しさのタイミングを計れないパーサーが多いxxx)
「6~7ギャレーのキャシーが、自分のエリアを終えた後、相棒のサビネを助けて、その後、私のエリアも手伝ってくれたのよ・・・キャシーに申し訳なくて、それであなた達に(←アネリースにも)伝えてるのヨ。」

シルヴィアは入社して間もなかったので、もしかしたらまだそこまで気がまわらないのかもしれません。
その後も度々アネリースやお客様とのおしゃべりでサービスの準備が遅れましたが、段々と途中で気付いて
「あっ!ごめんなさい!私の分も準備してもらっちゃって!」
と言うタイミングが早くなってきていました(笑)

休憩時間中は、コックピットに星を見に行きました。
機長のヤン・ヨーストが
「正面に見えている星は赤いから惑星に違いない!」
というので、見てみると、それは『うしかい座』の1等星アルクトゥルスでした。
アルクトゥルスは、北斗七星の柄のカーブを延長してたどる『春の大曲線』と呼ばれる曲線上にあって、曲線の終点『おとめ座』の1等星スピカのすぐ近くには、さらに明るい(0等星)土星が輝いていました。
「赤い星は全て惑星だと思ってたxxx」
というヤン・ヨースト。
他にも、例えば『さそり座』の1等星アンタレスも赤いけれど惑星ではありません。
「惑星なら、丁度今、土星が見えてますヨ」
と、『春の大曲線』を説明し、『おとめ座』の1等星スピカを指して、その斜め右に見えているのが土星だと話すと、
疑い深い(?)操縦士たちがこぞってiphoneを取り出し、フライトモードでStar Walkというアプリケーションを作動させて確認していました。
このStar Walkというアプリケーションは、私も後からダウンロードしたのですが、何時間見ていてもあきません!
(iphoneをお持ちの方、おすすめデス!!!)

オーロラも見えないかなぁ~とコックピットの北側の窓の外を見てみると・・・
見えました!!!
しかも、ものすごく近くに!!!
ほとんどの場合、見えても、遠くの方にボヤ~っと/あるいはモヤモヤ~っと見えているだけなのですが、今回は目の前でカーテンが揺らめく、よく写真などで見る、まさにそのまんまのオーロラでした!
写真やビデオを試みましたが、普通のカメラでは無理ですね(>_<。。。(残念) 
こんなに近くで、こんなに大きく、こんなに見事なオーロラを見たのは初めてでした♪(感激)

(こんな感じのオーロラが、飛行機の真横で揺らめいていました・・・下から見上げるのではなく、自分の真横に見える、というのも飛行機ならではですよネ ↓ )

オーロラがあまりに美しかったので、(本当は休憩時間中ずっと眺めていたかったけれど)コックピットを後にして、他の同僚達に知らせました。
それからキャビンをまわって、起きていらっしゃるお客様にもオーロラが見えることをお伝えしました。
あまり知られていませんが、コックピットからでなくとも、キャビンが暗い時はキャビンの窓からでもオーロラを見ることができるんですヨ。
(ただし、読書灯は消して下さいネ)
(オーロラが見られるのは北極圏で日が沈んで暗くなる冬の間だけ・・・夏の間は白夜で暗くならないので見えません・・・日本路線でも頻繁に見られますから、機会があったら是非、窓の外を見てみて下さい!)
(機内からオーロラを撮影された方の写真発見→http://museum.4travel.jp/photos/10003018/

エコノミークラス最後部で、
「ギャレーの明かりが眩しくて眠れない!(-_-#)」
と怒っていらっしゃるお客様(お酒もかなり飲んでいらっしゃるようでした)がいらしたので、その方にもギャレー横のドアの窓からオーロラをご覧頂いたら、
「初めて見ました、ありがとう!」
とご機嫌を直して下さいました(*^-^*)
オーロラ、ありがとう(*^-^*)

(なんだか長くなりそうなので、つづく・・・)

フライト日記 (Beijing) その1」への2件のフィードバック

  1. お久しぶりです(^^)
    なんと、この週末の旅行で利用したコンチネンタル航空のCAさん達に不満を感じていたところだったので
    今回の記事を読んで「そうそう、そうなのよね」と思いました。(苦笑)

    どの職場であれチームワークは必要だけど、特に接客の場であればこそたった一人でもそれを乱す行動をする人がいると
    いろんな問題が出てきますよね?

    特にmisaeさんが一番嫌だと感じている「不満を本人に直接伝えずに別の人に陰口を言うこと」って本当に困ります。
    聞かされた人は<実>の部分が分からない(見ていない)から確実なフォローをすることが出来ません・・・

    人から人へ間違った情報が伝わりコミュニケーションが悪くなるだけの最悪のパターンに陥ります。

    今回はmisaeさんの適切な対応により現状が分かっていなかった(分かろうとしていなかった?)
    上司にもきちんと思いを伝えられて、新人さんの動きも改善されて良かったですね? さすがです(^-^)

    • アヌークさん、コメントありがとうございます(*^-^*)
      (コンチネンタル航空・・・学生時代に受けた事があります・・・「大人し過ぎる」という理由で採用されませんでしたxxx)
      (でも、そのお陰で今の会社に入れた訳なので、よかった・・・!)
      私は何よりチームワークが大切だと思っています。
      入社試験でも、英会話論文のタイトルが「CAの仕事に最も大切だと思うこと」だったのですが、私は「チームワーク」と書きました。
      他がどんなにダメダメでも、チームワークがばっちりなら乗り越えられるというか・・・チームワークが上手くいっていれば、その”空気”をお客様も自然と感じて快適に過ごす事ができる・・・そう思うのです。
      入社して22年目ですが、振り返ると私も、先輩方から沢山のアドバイスを頂いたからこそ今の私があると心から思えるし、22年目の今でもまだまだ仕事上で新たな発見があるので、伝える必要があると感じたことは相手の為にきちんと伝えるようにしたい、また、同僚が伝えてきてくれたことは感謝してきちんと受け止めたいと思っています。

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