フライト日記 (Tokyo)

2011年9月
(NRT)

震災から2ヶ月間、会社の配慮で東京便だけを乗務させて頂き、
6月の休暇(夏休み)後は2ヶ月間別の路線にアサインされていたのですが、
9月に入ってようやく久し振りに東京便のリクエストが通りました。

乗務の2週間程前に、日本ベースの先輩Oさんから
「日本で、日本人乗務員と会社との間で、ビジネスクラスの和食サービスに関するミーティングがあり、
和食サービスはまた2ステップ(=洋食同様、小鉢を前菜、ご飯とお味噌汁を主菜として、2回に分けてサービスする)に戻りました」
というお知らせメールが届きました。

以前にも書いたことがありましたが、
(→https://greetingsfromhollandwithlove.wordpress.com/2010/11/25/%e3%83%95%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%88%e6%97%a5%e8%a8%98%e3%80%80tokyo-8/
(オランダに住むようになってからは、CAとしてよりも乗客として日本路線に乗る機会の多い)私は、
主観を抜きにして、本当に本当に本当に客観的に
現在の和食のトレイは、(上のリンク先の日記にトレイの写真を掲載していますが)
どこからどう見ても
前菜・主菜に分けずに1度にお出しするようにデザインされている
と思うので、
(日本人乗務員の中に「前菜・主菜に分けずに1度にお出しすると、まるで安い定食のようだ」と仰る方もいらっしゃるそうですが、私はそんな風に思ったことはありませんし、素人がそんなことを言っては、お料理を考案して下さったミシュラン1星を持つホテルオークラアムステルダムの一流レストランの料理長様にも大変失礼で、それを聞いた時は、正直、同じ日本人の同僚として、本当に恥ずかしくなりました・・・)
現状のまま2ステップサービスに戻してしまうのは、非常に残念だな・・・と思いましたが、
この和食サービス導入時には日本人乗務員の意見を聞き入れてくれなかった会社が、今回、
Inflight Service Managerをわざわざ日本に遣して日本人乗務員との話し合いの場を持ったというのは、
とても画期的で、ありがたいことだと、心から嬉しく思いました。

この和食サービスに関しては、スタートした当初から、
どう見ても1ステップ用にしか見えないトレイで2ステップサービスをすることに疑問を感じていました。
先輩方にサービス方法のアドバイスを伺いながら自分なりにサービスしてきましたが、
先輩方の間でも、1ステップ派と2ステップ派に分かれており、
昨秋のKLM OPENで偶然お目にかかったオークラの料理長様も、ご意向通りにサービスされていないと嘆いていらして、
折角素晴らしいお料理なのに、料理長のご意向通りでなく、トレイのつくりとサービス方法も噛み合っておらず、
故にサービスする側(=CA)も混乱してしまっている・・・
(お料理は本当にとても美味しいので、1ステップで出しても2ステップで出しても、お味はお楽しみ頂けているとは思いますが・・・)

手順が1ステップか2ステップか、ということよりも先ず
お料理の考案者と会社がサービス内容に同意していて、かつ
トレイのつくりとサービス方法が一致していて(=2ステップでサービスするならトレイも2ステップ用にデザインされるべき)
乗務員も考案者も会社も、全員が内容に納得して自信を持ってサービスできるようにすることの方が
ずっとずっと重要なのではないかと思いつつ・・・

Oさんからのメールを受信した後すぐ、両親を日本へ送り届ける為、東京便を利用したのですが、
行きの便に乗務されていらした先輩が
「misaeさんに相談しないで2ステップに戻してしまうなんて酷いわよね」
とお声をおかけ下さって
(私は和食サービスの手順を変更できるような立場にないので、ご相談頂く必要などないのに・・・???)
更にお話を伺ってみると、
4月に急遽和食サービスが2ステップから1ステップに変更になったことに、私が関与していると誤解されてしまっているらしい・・・
(1ステップに変更になった時の日記→https://greetingsfromhollandwithlove.wordpress.com/2011/05/09/%e3%83%95%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%88%e6%97%a5%e8%a8%98%e3%80%80tokyoosaka-2/

確かに、3月末、ビジネスクラスの食器が新しくなり、
洋食用アンダープレートのサイズが小さくなり和食器をのせることができなくなった為、
(↑ 洋食用のアンダープレートは円形で、和食器は楕円形なので、サイズが大きかった頃も、のせると見た目が悪かったのですが、2ステップでサービスする為には、オーブンで温めたばかりの主菜をのせるアンダープレートが必要なのです)
「和食は1ステップにした方がいいのではないか?」
というサービスリマークス(=乗務中に気付いたこと等を会社に報告する用紙)は書きましたが、
その1週間後に会社がサービス手順を変更したのは、私(=一乗務員)が書いたリマークスだけが理由ではないはず。

が、その時、サービス手順の変更のお知らせがギャレーブリーフィング(=フライト中、各ギャレーに掲示される、その路線の特別なサービスに関するお手紙=日本路線なら、例えば、他の路線には搭載されない日本茶・ウーロン茶・日本酒・日本の雑誌etc.が搭載されていることや、他の路線ではドリンクサービスの後にお配りするHotTowelを日本路線ではドリンクサービスの前にお配りすること等が記載されています)にしか記載されないと聞いたので、
和食サービスのことなのに、日本人乗務員に前もって何も知らされないというのは、オランダ人の同僚達も???と思うだろうし、日本人の同僚達もびっくりするor恥ずかしい思いをするのではないかと心配して、つい
サービス手順が変更になっている旨私から先輩方にメールでお知らせしてしまい、
それがかえって仇となって、そういう誤解をされてしまったようです。
(思い起こせば、私は子供の頃から、そういう余計な気遣いをして自分で自分の首を絞めることが多い・・・(^^;;)

日本からオランダに戻る便では別の先輩から
「何故、日本ベースの先輩に相談せずに、和食サービスを2ステップから1ステップに変更したのか?」
「オランダベースなのに日本路線のサービスに関わり過ぎだ」
とご注意を受け、事情を説明しましたが、誤解はかなり深く浸透してしまっている様子でした・・・
なかなか直接会ってお話しできないので、誤解もうまれ易いでしょうし、一度うまれた誤解は事実と異なった方向に広まり易いもの。
日本ベースの先輩方は、私が「いつか私もこんなプロの客室乗務員になりたい」と憧れ、尊敬する方ばかりですから、
仮に私が日本路線のサービス内容の取り決めに関与できていたとしたら、間違いなく日本ベースの先輩方に相談していました・・・
が、そういう想いは、やはり口に出して伝えないと伝わらないものなのかもしれませんね。
また(当時は震災発生後間もなく、4月初めは、乗務時の支援活動、乗務の合間のチャリティーイベントやチャリティーコンサートのお手伝いで本当に忙しくしていた為)、サービス手順の変更のお知らせメール、いつものようにじっくり時間をかけて書けなかったので、言葉が足りなかったのだと思います。
今後は気を付けないと・・・(;>_<;)

前置きが長くなりましたが、
そんなことがあった後の東京便のフライト当日。
空港内クルーセンターにあるメールボックスにGroepscommissie(CA全体の意見をまとめて会社に提出したり、会社からの決定事項の詳細をCAに伝える、学校でいったらPTAのような存在?)からのお手紙が。
日付を見ると、日本ベースの先輩から
和食サービスが1ステップから2ステップに戻りました
というメールが届いたのとほぼ同じ時期に配信されたものだったのですが、
なんとそこには
和食サービスは1ステップでサービスします
という記載が・・・
オランダ人CAにとっては、ギャレーブリーフィング以外で初めての会社からの正式なお知らせ・・・
「和食サービスは2ステップに戻った」という日本人CAとぶつかってしまうのでは・・・

心配していたとおり、同じ便だった日本人の同僚達(全員まだ入社して然程経っていない新しい方々)は、
行きの便(←日本人乗務員にとっては日本発の便が”行きの便”で、私にとっての”行きの便”であるオランダ発の便は”帰りの便”になります)で
パーサーと揉めてしまったそうです。
日本人の先輩からのメールで「もう既に2ステップに変わった」と思って2ステップでサービスしていたところ、
Groepscommissieからの手紙を読んで「1ステップだ」と理解していたパーサーに
「1ステップでやるべきサービスをどうして勝手に2ステップでやっているのか」
と、厳しく怒られてしまい、非常にショックだったとのこと。
入社して間もなければ上からの指示に従う他なく、彼女達にとっての最新情報は先輩からのメールだった訳ですが、
オランダ人のパーサーに日本語のメールを見せてもわかってもらえるはずがなく・・・

その日の便では、パーサーには私から、
日本人CAはGroepscommissieからのオランダ語の手紙は受け取っておらず、また
日本人CAには「和食サービスは2ステップに戻った」という日本語のメールが廻っている旨伝え、
揉めることはありませんでしたが、
日本人の同僚達に早くこのGroepscommissieからの手紙のことを伝えないと・・・!
と思い、成田到着後、早速手紙を英語に訳してお知らせしました。

担当は、Aゾーン(=1階のビジネスクラス=18名のお客様を1人で担当)で、満席。
UD(=アッパーデッキ=2階のビジネスクラス=24名のお客様を日本人CAとオランダ人CAの2人で担当)は和食は2ステップでサービスするとのことでしたが、
私は、今回は、大先輩Sさんが「こんな風にサービスできたら・・・」と仰っていた方法を試みてみました。
それは、お酒を召し上がっているお客様には和食も2ステップで(→小鉢のお料理をおつまみとして先に召し上がって頂き、後からご飯とお味噌汁をお持ちする)、そうでないお客様には和食は1ステップで(ちなみに洋食は常に2ステップです)サービスするという方法。
お客様には喜んで頂けましたが・・・主菜をお出しするタイミングがバラバラ過ぎて、大変でした・・・これは機内でのサービスには向きませんwww

休憩時間には、(和食サービスの誤解のことも気になっていたので)OCR(=Overhead Crew Rest=客室の天井裏にベッドがあります)には行かず、
日本人の同僚といろいろ話をしました。
直接話せば誤解も解けるはず・・・!

成田到着後は、少しだけ仮眠を取って、実家へ。
初めて京成線で乗り過ごして上野まで行ってしまいました・・・(^^;;

翌日は、久し振りに青山のオフィス(東京支社)へ。
(日本ではNo.2のポジションにいらっしゃるという)旅客営業本部長のマーク=アークスフックさんにお目にかかり、
Japan Helpen Kan!(=私もお手伝いしているオランダの東日本大震災支援団体)主催のピアノとバイオリンのコンサートのスポンサーを快く引き受けて下さったことを
(なんと在蘭日本人ピアニストとバイオリニスト2人分の日本への往復航空券を用意して下さったのです・・・!)
(メールでは既にお礼申し上げてありましたが)直接お会いしてお礼申し上げたかったのです。

夜は、クルードリンクに間に合うように成田のクルーホテルへ戻り、
オランダ人の同僚達と夕食後、皆でカラオケへ。
オランダ人の同僚達は皆、最初は歌わないというけれど最後はマイク離さなくなります(笑)

翌朝はCallingの後、レストランで和朝食を。
やっぱりパンよりご飯だな・・・私は(*^-^*)

前日にお会いした旅客営業本部長のマークさんが、偶然にも私が乗務する便でオランダへいらっしゃるとのことで、
パーサーに座席番号(UD=2階ビジネスクラス)を伝えたら、
「折角だからあなたがサービスしなさい」
とおっしゃって下さり、
UD担当だったオランダ人の同僚と担当エリアを交換し、
帰りの便は、日本人の同僚(ご縁があるのか、新しい方なのにもう何度もご一緒している)Mさんと乗務。
相棒と日本語で話せると本当に楽ですねぇ!
二人で協力し合って、洋食2ステップx和食1ステップ(←今回は先輩のHさんから教えて頂いた方法)でサービス。
大変スムーズでした♪
このHさんの方法を和食の1ステップミールのサービス方法として会社に提案したら、オランダ人の同僚達にとってもわかりやすいのではないかしら・・・

どちらにしても、
オランダ側は1ステップとしているのに、日本側は2ステップでサービスしたい、
というのは、混乱ばかりか、乗務員同士の揉め事を招くかもしれないので、やはりここは統一すべきではないかと思っていたところ、
再び、日本人乗務員と会社との話し合いがもたれ、
楕円形の和食器がのり、見た目も和風のアンダープレートが見つかるまでは、
1ステップでサービスする、ということに決まったとのこと。
ホッとしました・・・(*´-`*) ホッ

しかしながら本当は、会社は、日本人乗務員と話し合うより先に、(トレイのデザインやアンダープレイトに関してなど)お料理の考案者の方と話し合った方がいいのでは・・・

・・・と、思うところは他にもまだまだ沢山あるのですが、
暫くの間は、これ以上誤解されぬよう、慎んで行動しないといけませんね・・・(〃⌒ー⌒〃)ゞ

フライト日記 (Tokyo)」への2件のフィードバック

  1. 日本人でも「メシとおかずは一緒に喰いたい!」という至極当然な欲求を理解してくれない店があるのはとてもとても困るのです。
    そういう店で暴れる悪い客です(笑い9

    • shigさん、コメントありがとうございます!
      2ステップでサービスしていた頃は、自分が乗客として乗った時も小鉢と一緒にご飯が欲しいと思いましたし、
      他のお客様方も「ご飯は出ないのですか?」と日本人乗務員に質問されていましたし、
      乗務の時は、お客様に「ご飯は出ないのですか?」と聞かれては、「申し訳ございません。洋食同様に温かいお食事は後からお出しすることになっておりまして…」とご説明しながら、
      やっぱりご飯と一緒にお召し上がりになりたいですよね…(>_<)
      と恐縮していました。
      和食を洋食同様に、前菜と主菜に分けて出すのは難しいです…懐石料理や会席料理の様に2回以上に分けて出すか、1度に出すか…機内では2回以上に分けて出すのは時間的に無理…となると必然的に1ステップになるか、洋食風にアレンジしたメニューにして洋食同様に2ステップにする他ないんじゃないかなぁ…
      引き続き、話し合われているようなので、これからどんな風に改善されるのか、期待しています(^-^)

misae にコメントする コメントをキャンセル

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中