フライト・セイフティー・リカレント

先週末、念願の乗務復帰許可がおり、
一昨日、フライト・セイフティーのリカレント(←緊急時の対応能力試験&訓練)を受けてきました。
リカレントは(病欠していなくても)年に一回あって、
これをパスしないと乗務資格が失効し、乗務できません…((((;゚Д゚)))))))

リカレントには
General (緊急事態発生時の対応の仕方、緊急事態発生時に使用する設備や機器の使い方に関する知識を再チェック)

Types (乗務資格を持っている機種別の、緊急事態発生時の対応の仕方、緊急事態発生時に使用する設備や機器の設置場所と使い方に関する知識を再チェック)
の2種類あって、
それぞれ早朝から夕方まで一日がかりでトレーニングします。

一昨日はGeneralの方でした。

リカレントは、最初にまず試験があり、合格者だけそのまま訓練に入ります。
(お陰様で今年も満点でパスできました…応援して下さった皆さま、ありがとうございました♡)
(ちなみに、不合格者は訓練には参加させてもらえず、一旦家に帰され、翌日?再試・・・再試に落ちた人がどうなるのかは知りません・・・どうなるのかな ( ▽|||)  )

訓練も2種類あって、
教室での頭の中でのシュミレーションと、シュミレーターでの実技があります。
想定される緊急事態は毎回異なり、
今回の、教室でのシュミレーションは、火災発生
シュミレーターでの実技は、ディ・コンプレッション(急減圧)による緊急着陸&緊急脱出。

教室でのシュミレーションでは、全員がCA役なのですが、
シュミレーターでの実技では、CA役と乗客役に分かれます。
誰がCA役をやるかは立候補制です。
CA役も乗客役も、どちらも勉強になるので、私は大体1年おきに交互にCA役に立候補しています(*⌒―⌒*)

リカレント6 リカレント4
(↑ シュミレーター 外側と内部)(同僚が撮影した写真をお借りしました)

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(↑ 数年前の写真ですが・・・シュミレーターでの実技訓練中は、安全の為、皆こんな格好をしています)

今年は私はCA役でした。

ドリンクサービスが間もなく終わるという頃、機体が大きく揺れ、酸素マスクが降りてきました。
そういう時は、私達も直ちに酸素マスクを着けなければなりません。
高度40000フィートで飛行していた場合、18秒以内に酸素マスクを着用しないと意識を失ってしまうからです。

しかし、その時の私の立ち居地は、最前列のお客様とギャレーの中間部・・・
私が酸素マスクを着けるには、
最前列のお客様の斜め前に停まっているドリンクサービス・トローリーをどちらかに移動させなければマスクに手が届かず、
(=酸素マスクと自分自身の間にトローリーがあった)
例えばトローリーを前に動かして、そのまま放置した場合、
(↑ 私はお客様の方、つまり飛行機の後方を向いて立っていますので、前に動かす=進行方向後ろへ動かす=最前列のお客様のお席の隣くらいにトローリーを移動してそこに放置することになる)
大きく揺れて万が一お客様に当たりでもしたら・・・/( ̄ロ ̄;)\
(↑ 急降下した場合、あの重いトローリーが天井まで上がって落下することもあるので)
お客様からできるだけ遠い所にトローリーを移動させないと・・・!
と、自動的に自分のことよりお客様のことを考えてしまい、
あとほんの1mほど下がれば到達できたギャレーにトローリーを移動させようとしたところ、
教官から
「はい、君はそこで気絶!その場で横になって!」
と言われてしまいましたw

訓練終了後、教官から
「酸欠状態が長く続いたら君は死んでいたかもしれない・・・何よりもまず自分の安全を考えるように!」
と注意され、
そうだった・・・私が無事でないと、その後に続く緊急着陸&緊急脱出時にお客様を誘導しなければならないCAが一人足りなくなってしまうんだった・・・/( ̄ロ ̄;)\
と反省しました。

・・・が、もし実際に同じこと(=ドリンクサービスやミールサービスでトローリーがキャビンに出ている状態でディ・コンプレッション)が起こったら、私はやっぱり、危険なトローリーをお客様のすぐ傍に放っておけないだろうな・・・ (;´・_・`)
という確信に近いものがあり、どうしたものかとちょっぴり悩んでいたところ、
Facebookに投稿されていたこんな記事に目が留まりました ↓

【やなせたかし氏 日本人の正義とは困った人にパン差し出すこと】
http://www.news-postseven.com/archives/20110503_18844.html

3年前の記事ですが、

やなせ:うん。だから正義って相手を倒すことじゃないんですよ。アンパンマンもバイキンマンを殺したりしないでしょ。だってバイキンマンにはバイキンマンなりの正義を持っているかも知れないから。それに正義って、普通の人が行うものなんです。政治家みたいな偉い人や強い人だけが行うものではない。普通の人が目の前で溺れる子どもを見て思わず助けるために河に飛び込んでしまうような行為をいうのです。ただし普通の人なので、助けに行って自分が代わりに溺れ死んでしまうかも知れない。それでも助けざるを得ない。

というのを読んで、
緊急事態発生時には、全てのお客様から(そして同僚達から)保安要員として最後まで必要とされていることを念頭に置き、何よりまず自分の身の安全を優先させないといけない・・・のだけれど、
それは重々承知しているのだけれど、
万が一、咄嗟に、お客様の安全を優先して自分は命を失ってしまったとしても、”アンパンマン的正義”だったのだと自分を慰めよう・・・
と思ったら、ちょっと心が軽くなりました  (@^-^@)

明日はTypesの試験&訓練です。
久し振りに、小学校5年生~高校生まで愛用していたキッチンタイマーを使って勉強しています♪
Pomodoro Technique(ポモドーロ・テクニック)
というんですね・・・知らずにやっていましたが、これは確かに集中力がアップします。

foto (8)

がんばります*•.•*¨*•.¸¸♬

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