卒業ミュージカル

 
夏休みに入る前の7月10・11日に、Groep 8 (グループ 8)(=日本で言う小学校6年生) による卒業ミュージカルがありました。
 
オランダの小学校は、4歳から12歳の8年間です。 
(子供達は4歳の誕生日を迎えるその誕生月にバラバラに入学してくるので)入学式もないのですが、卒業式もありません。
代わりに、卒業生全員によるミュージカルの公演があります。
 
今年の卒業ミュージカルは、シェークスピアの『真夏の夜の夢』
・・・のパロディー『真夏の夜の悪夢』 Glimlach
ミハーリも、フィローという役で出演しました。
 
子供達の衣装を縫うお手伝いに私も参加していたのですが、脚本や演出、監督は父兄でそういう関係の仕事をしている人が引き受け、舞台装置や音楽も本格的で、子供のミュージカルとは思えない出来に驚きました。
舞台は校庭に設置されました。 屋外公演です。
 
まだ明るい午後9時(→夏の間は午後10過ぎまで明るいのデス)から公演され、中盤頃(=午後10時30分頃)に日が落ちて、舞台が幻想的にライトアップされます。
 
両日とも日中は雨模様で、天候が心配されましたが、公演時間前に雨も止み、本当にすばらしい野外公演となりました♪
 
当日は卒業生のお母さん達が感極まって涙していました。 
一緒に見に来ていたマリアも
「ミハーリくんが別の学校へいっちゃったら寂しい・・・(>_<。。。」
と泣いていました・・・
ミハーリ、ついに小学校卒業なんだね・・・(。♋ฺ‸♋ฺ。)うるるる
 
ミュージカルの翌日から、ミハーリの学年は(他の学年よりも1週間早く)夏休みに。
「12歳からは飛行機に一人で乗れる」と聞いて、早速たった一人で日本へ向かったミハーリ。
夏休み明けからは、二ヶ国語教育の中学校へ通います。
がんばれ!!
 
・・・私は今日からボネールへフライトです Vliegtuig
 
 

フライト日記 (Lagos)

2007年6月
(LOS)
 
半年振りのラゴス便。 
前回はMD-11でしたが、今回の機種はB777。
担当はエコノミークラスです。
 
ラゴス便は、ナイジェリアの方々のつっけんどんな英語(→前回のフライト日記をご参照下さい)のせいもあって、長らくオランダ人クルーから不人気の路線の一つだったのですが、最近はナイジェリア人のお客様方皆様とても流暢な英語をお話しになるのでビックリします。
そういえば、この前のカイロ便でも、(以前はこちらが片言ででもアラビア語を話さないと通じなかった)エジプト人のお客様の多くが、普通にオランダ語を話されていてビックリました。 日本人も英語ができる方が随分増えましたよネ。 
いろいろな人種が世界中に広まっていっているのを感じる今日この頃です。
 
ラゴスまでの飛行時間は5時間半。
お食事のサービスが2回あるのですが、到着前の軽食のサービスに"Tofu roll"というのをお配りしました。 
これがお客様に非常に好評だったので、私もあまったのを1つ味見させていただきました。

 
(Tofu Roll)

"豆腐と野菜のあんかけ入りパン"という感じで、とっても美味しかったです!

ビジネスクラスでは、サーモンピザも美味しそうでしたが、デザートのレモン(ライム?)のムース・ケーキを試食。
細かく刻まれたレモン(ライム?)がたっぷり入っていて美味しかったです!

(左上がデザートのムース・ケーキ)

オランダ発のビジネスクラスのデザートは、どの便もすごく美味しくて感心しています。

到着後は、ナイジェリアはマラリア地域なので、(マラリア地域へのフライトの時)会社から配布される虫除けをしっかり塗ってから降機します。

前回同様、(襲撃されるのを防ぐ為)車内を真っ暗にしたクルーバスで前後を護衛車に挟まれながらクルーホテルへ。
ラゴスでは、滞在中ホテルから出ることはできません。
ホテルの中にいると他の国と少しも変わらない(=いたって平和)なのに、外はそれだけ危険だということ・・・心が痛みます。
 
ホテルのバーでのクルードリンク(=到着後、皆で集まって飲むこと)の後ベッドへ。
 
翌日は朝食後、同僚達と一緒にホテル内のネイルサロンへ行ってみました。
小さなサロンですが、マッサージ機能付きのイスがあってなかなか豪華でした。
しかしながら、(きれいな英語を話すホテルの従業員とは打って変って)ネイルサロンにいた2人の女性は昔ながらの無礼な英語(?)で、(一緒に行ったオランダ人同僚達が腹を立てているのが)可笑しかったです。 

 
(ネイル・サロンにて・ペディキュア担当の女性)

動作も乱暴で、いらなくなった物は離れたところにあるゴミ箱に投げる(→入らない→ゴミ箱のまわりにゴミが散乱・・・(;-_-))、マニキュアやペディキュアに使う道具も使い終わるとポイッと投げるので床に落ちる(←ちゃんと拾いますが、それなら最初から静かに置いたらいいのに・・・)。
面白かったです・・・
とにかく乱雑なので、爪の甘皮を取ってもらっている時はちょっと怖かったです・・・が、きれいに仕上げてくれましたヨ。
 
ネイルサロンを出てから、フロントで、どこかでピアノを弾くことはできないか聞いてみました。 
ラゴスのクルーホテルには、ロビーにもグランドピアノが置いてあるのですが、できれば練習をしたいので、パーティー会場かどこかにもう1台ピアノはないかと尋ねると、バンケット・オフィスへ行くようにとのこと。
バンケット・オフィスでは、30分以上待たされた後、2時間後にもう一度来るように、と言われたので、その間に昼食を取って、2時間後にオフィスに電話をしてみましたら、結局「無理」とのこと(ガッカリ)。
部屋へ戻ってCalling(=出発の1時間前のモーニングコール)(ラゴスのCalling Timeは19時5分)まで少し休むことにしました。
 
出発前、チェックアウトした後は、ロビー前のラウンジの中央に作られた"出発クルー専用のスペース"でコーヒーや紅茶をいただきながら、クルーバスの到着を待ちます。 

 
(クルーラウンジ風のスペース)

私達の他に、AFのクルーも待機していました。
 
ロビーでは、ピアノ・ギター・ドラムによるジャズの生演奏(演奏者は皆ナイジェリアの方)が行われていました♪♬♫ 
コーヒーを飲み終わった頃、バンドが休憩時間に入ったので、どんなピアノが置いてあるのか見に行ってみると、ピアニストが
「あなたもピアノを弾くのですか?」
と話しかけてきました。
ピ 「何年弾いてるのですか?」
私 「もう30年以上になります(✿ฺ^-^✿ฺ)」
と答えた所で、今度は後ろから声を掛けられました。
「あぁ、もしかして、あなたが昼間お電話下さった方ですか! 私はバンケットマネージャーのXXです(握手しながら)。 こちらがバンド・リーダーのXX。 彼がOKならピアノを弾いても全然構いませんよ。 先程は彼がつかまらなかったのです。」
「バンド・リーダーのXXです(握手しながら)。 どうぞ、何か弾いてみて下さい。」
 
急に弾いてもよいことになり、制服のままピアノの前へ。
AFのクルーもいることだし、何かフランスの曲を・・・と思い、フォーレの『シシリエンヌ』(=このブログのBGM)を弾きました。 
ピアノは調律もされていなかったし、いくつかきちんと出ない音があったりしましたが、フライト先のピアノはそういうのが多いので、もうすっかり慣れてしまいました。 気にしていたら演奏に集中できませんしネ 
 


(副操縦士さんが写真を撮っておいてくれました)

是非もう1曲と言われて、ショパンの『ノクターンOp.9-2』も弾かせていただきました。 弾きながら時計を見るとあと数分でPick Up Time(=クルーバスが出発する時間)だったので、不本意でしたがテンポをかなりあげて弾き終えました。
ロビーにいたお客様方と同僚達からの拍手に会釈し、バンケット・マネージャーとバンド・リーダーと握手をして、急いで同僚達のところに戻り、AFのクルーの方々が拍手をしながら何かフランス語でおっしゃっている(→残念ながら何をおっしゃっていたのかわかりませんでしがxxx)のに対し笑顔で
Merci beaucoup!
 
同僚達と共にホテルの出口に向かって歩き始めて間もなく、バンドのピアニストがショパンの『ワルツOp.posth.69-1』を弾き始めました。 私の為に、ジャズではなくショパンの、それも『別れのワルツ』を・・・!!(>_<。。。 
ピアニストに大きく手を振ってホテルを後にしました。
 
行きと同様、照明を落としたクルーバスで空港へ向かいます。 街灯もなく真っ暗な窓の外に見えるのは、渋滞した車のテール・ランプの赤い光だけ。
ドンッ! ガンッ!
大きな音とともにバスの車体が揺れて、驚いて外を見ると、(肌が黒いので見づらいのですが)男性が一人、クルーバスに体当たりしたり蹴りを入れたりしています。
前の席の同僚に小声で
「彼、何してるの・・・?」
と聞くと
「多分、トランクをこじ開けて荷物を盗ろうとしているんだと思う・・・」
・・・( ̄_ ̄|||)
その男性は、クルーバスだけでなく、渋滞でノロノロ運転になっている車に、手当たり次第攻撃(?)している様子。 
そのうちに、クルーバスの隣を走っていた乗用車の運転手と揉み合いになり、窓際に座っていた私は(を持っていたりしたらどうする?・・・銃撃戦になったらどうする?)というようなことを頭の中でいろいろ考えていました。
何事もなく空港に到着しましたが、正直、かなり怖かったです。
 
帰りの便では、私の担当エリアにお掛けのイギリス人男性客に
「君の笑顔は最高だ。 こんな笑顔は見たことがない。 見ているだけで幸せな気分になるよ。 ありがとう。」
と言われ、返す言葉に困りました・・・
 
こちらこそ、笑顔だけで幸せな気分になっていただけるなんて・・・そんな褒め言葉をいただいたのは初めてです・・・感謝♡
 
次のフライトは、(この数年なんだか非常にご縁のある)ボネール島です・・・
 

フライト日記 (Cairo)

2007年6月
(CAI)
 
カイロ、暑かったです・・・
摂氏42度・・・でも、クルーホテルの従業員は
「今日は涼しいですよ。 昨日は50度を超えていた(場所によっては60度以上だった!)んですから。」
ですって・・・ホントかな(^^ゞ
 
さて、カイロでのお話は後にして・・・
 
今回も本当は早めに空港に来て、リポーティングの前に出発ロビーへ行き、その日日本へ帰国されるYさんご一家をお見送りしようと思っていたのですが、
今日が夏休みの初日だった地方(*)もあったせいか、道が予想以上に混雑していて、結局出発ロビーまで行っている時間がなくなってしまいました・・・残念!
 
(*) オランダでは、長期休暇の混雑を避ける為・・・
    北部・中部・南部と、地方によって休暇がずらしてあります。
    順番は毎年変わるのですが、
    今年は、
    南部が6月30日~8月12日、
    北部が7月7日~8月19日、
    中部が7月21日~9月2日(→ユトレヒトは中部です)
    となっています。
 
リポーティングを済ませ、ブリーフィングルームへ。
 
先に来ていたオランダ人クルーが、いつものように
(え? ここカイロ便のブリーフィングルームよね?? アジア路線じゃないわよね???)
・・・という『はてなマーク』いっぱいの目を私に向けます(笑)
私が
「行きは747で帰りが777だったっけ?」
とオランダ語で話しかけると、ホッとした表情に。
 
私の次に来たスチュワードがやはりアジア系で、私も「あら!」と思いましたが、あちらも「おや?」という顔をしながら挨拶。 
彼はインドネシア系オランダ人(→両親共にインドネシア人で、21年前にオランダに移住してきたそうです)です。
 
しばらくして、シニア・パーサージュニア・パーサーの二人が入ってくると、再び「あら!」「おや?」「まぁ!」という顔・・・
ジュニア・パーサーのキムが(その名の通り)韓国人だったのです。
彼女は、子供の頃に、養女としてオランダ人夫婦の元に預けられたそうです。 外見は韓国人ですが、中身は全くのオランダ人。 
オランダには、韓国、中国、アフリカから養子をもらう夫婦が多く、周りの人々もいたって普通に接していますし、養子として育てられた子供達も普通に伸び伸びと暮らしている様子です。
 
ブリーフィングが終わってから、インドネシア人スチュワードのフィンと一緒にゲートに向かって歩いていると、
中国人地上職員の人に中国語で話しかけられて、フィンが
「僕らは中国人じゃないヨ。 これからカイロへ行くところだヨ。」
成都便の中国人クルーだと思われたらしい・・・(笑)
 
ゲートが近づくにつれ日本人乗客の数も増えていたので、もしかしたら・・・?!と思ったら、
カイロ便のゲートはJALの東京便のお隣のゲートでした。
Yさん一家がいないかと見回してみたのですが見つからず・・・残念!
 
ゲートに着くと、セキュリティー係官が私達を見て
「JALは隣のゲートですよ。」
と言うので、またフィンが
「僕らはJALのクルーじゃないヨ。 これからこのカイロ便に乗務するんだヨ。」
可笑しかったです・・・(✿ฺ^-^✿ฺ)
(JALとは制服が全然違うのにネ・・・笑)
 
機種はボーイング747-400。 
カイロまでの本日の飛行所要時間は、3時間42分。
担当は1階のビジネスクラス・・・今日はエコノミークラスがオーバーブックしているので、座席はビジネスクラスのまま、エコノミークラスになっているとのこと。
 
ケータリングをチェックすると、案の定、ビジネスクラスのものが搭載されたままだったので、グラス(ガラスからプラスチックに)、ワイン(大きいボトルから小さいボトルに)等を替えておきます。
 
お客様は、ほとんどが家族連れの在蘭エジプト人。 しかも大家族。
しかもほとんど席がバラバラで、出発前は席替えに大童でした。
 
機内では、文化の違いを目の当たりに♪
 
彼らは待てない・・・お食事のサービスの後、コーヒーや紅茶のポットの用意などをしていると、もう次々に食べ終わったミールトレイギャレーに持ってきてしまう・・・
他の路線でもお一人お二人そういうお客様がいらっしゃいますが、何十人とミールトレイを持って来られたのにはビックリしました・・・
 
ギャレーに山積みになったミールトレイに暫し唖然としていると、オランダ人の同僚達は口々に
「わぁ~便利~! ギャレーまで持って来てくれるなんて!」
と喜んでる・・・
 
エジプト人、オランダ人、日本人、みんな感覚が違くって面白い・・・
 
機体整備で出発が1時間程遅れましたが、カイロには40分遅れで到着。
通常、乗務員のスーツケースが優先的に降ろされるのですが・・・お客様のお荷物はどんどん出てきているのに、私達の荷物が待てども待てども出てこない・・・
そんなこんなでクルーホテルに着いたのは午前3時半過ぎ。 
 
今まで10年以上ずーっと同じクルーホテルだったのですが、最近この新しいホテルに変わったばかり。


(ロビー前)

ものすご~くゴージャスなホテルです(◕ฺ‿◕ฺ✿ฺ)
・・・が、チェックインに時間がかかって、皆が部屋に上がったのは午前4時半近く。
夜の便で、ディレイもあったので、皆疲れていて、今日は残念ながらクルードリンクはなし。
がっかりしているとフィンが、バーで1杯だけ何か飲んでから寝る、というので私も一緒に♪
 
午前5時ごろ部屋へ戻ると、なんとスーツケースが部屋の前に置きっ放し・・・(;-_-)
ポーターさん、お願いですから、荷物はちゃんと部屋の中に入れておいて下さい・・・
盗まれていなくてよかった・・・ε=(-_-;)ホッ
 
翌日はゆっくり眠ろうと思っていたのですが、正午にはすっかり目覚めてしまいました。
窓の外が駐車場、その向こうに大通りがあって、車のクラクションの音がスゴイのです・・・
NHKを見ながら、ルームサービスの朝食をいただいた後、同僚達を探してプールサイドへ。
 
午後6時に屋外プール脇のラウンジに集まって、 クルードリンク
リポーティング時間(=午前2時45分)まで10時間を切っていましたから、アルコールは無しデス。

 
(ラウンジ)
(各テーブル脇に立っている銀色の物体はクーラーです)

夕食もホテル内で。
日本料理のレストランもあったのですが、折角ですからアラビア料理のお店へ。
ウェイターさんお薦めのお魚料理をいただきました。 美味しかった~!!


(Samak Seyadeya)

ふと気が付いたら、BGMにアラビア風にアレンジされた(=踊れるようなテンポで、時折シャン!シャン!と鈴の音が鳴ったり・・・)『モーツアルトの交響曲第40番』がかかっていました♪
 
帰りの便も満席。 
飛行中、クルーボックス(=現地で用意されるクルー用のお弁当のようなもの)のチキンサンドを食べた同僚達が次々に腹痛を訴えてダウン。


(中央の大きなパンが問題のチキンサンド)
(左側はゴートチーズ入りのパン。右側はベジタリアン・クッキー)

エジプトやインドなどのフライト先では、食中りになることが多いので注意が必要です。
 
体調を崩した同僚達のフォローをしながら、アムステルダム到着。
アジア人クルーの記念撮影をしよう!」
と、フィン、キムの3人で写真を撮りました。

 
次のフライトはラゴス(ナイジェリア)です。