フライト日記 (Tehran) その1

 
先週末、子供達の通う日本語補習校の保護者会総会があり、
その準備が本当に忙しくて、
フライト日記のアップがまたまたすっかり遅くなってしまいましたxxx
 
 
2009年9月
  (IKA)
 
ラゴス便のフライト日記にも書きましたが、
ラゴス便とテヘラン便は、不人気便の首位争いをしている路線・・・(^^ゞ
 
ラゴスで
「次のフライトはどこ?」
と聞かれて
「テヘラン」
と答えると、みんなそれは気の毒そうに
「一体何をやらかしたんだい?(苦笑)」
 って(・・・罰か何かだと思っている)・・・(^^ゞ
 
イランはイスラム教国の中でも戒律が厳しい国で、
女性は(外国人観光客だろうと誰だろうと)ヒジャーブ(髪を隠す為のスカーフ)とアバーヤ(身体の線を隠す為のコート)を着用しなければならないし、
アルコールも当然禁止。
欧米人の中でも自由を好むオランダ人が行きたがらないのも当然です。
 
でも、私はテヘラン、結構好きなのですバラ
イランの方々は、知らない人同士でもものすごく気遣い合う、とても良心的な印象を持っています。
それに、クルーホテルにはクルー専用フロアがあって、そこのクルールームで皆で食事をしたりDVDを見たりするので、
なんだか学生寮のようで、ステイもとっても楽しいのです。
 
リポーティング・タイムは13時55分。
その日は、アルバイト先の一つであるアムステルダムの小さな子供向け日本語学校のミーティングの為、
午前中はアムステルダムにおりました。
翌週パイロット授業を予定していたので、その打ち合わせです。
余裕を持って13時には空港へ向かいましたが、頭の中はパイロット授業の準備のことでいっぱいでした。
しかもパイロット授業の前日には、子供達が通う日本語補習校の保護者会総会があり、
保護者会会長を引き受けてしまった私は、その準備でも頭がいっぱいでxxx
電車の中での(フライトモードへの)頭の切り替えは失敗。
空港駅からクルーセンターへ向かう途中での切り替えも上手くいかず、
リポーティングを済ませてパーサーに挨拶してやっと、
フライトモードになってきました。
ブリーフィングまでコーヒーを飲みながら、リポーティングが同じ時間帯の日本人の同僚達とおしゃべりを楽しんでいたのですが、
このところ頭を使い過ぎたのか、だんだん体(特に頭)が熱ってきて・・・まるで知恵熱でも出たかのようでした(笑)
ブリーフィングまでには治りましたが・・・ε-(-_-;)ホッ
 
機種はMD-11。
担当はエコノミークラスです。
このところたまたまエコノミークラスが続いていますが、MD-11のエコノミークラスは最後部に1つしかギャレーがなく、
エコノミークラス担当だと歩く量がとっても多くなるので、ダイエットには最適なのです♪
 
搭乗が始まると、いつものように沢山の車椅子が・・・
テヘランは車椅子のお客様が多いことで有名です。 
(でも、到着するとなぜか歩けるようになっている方が多くて驚きます。←ブリーフィングでパーサーもそう言って笑っていました・・・(^^ゞ)
 
満席です。
飛行時間は4時間50分。
 
サービススケジュールは、ドリンクサービス→ホットミール→コーヒー/紅茶と食後酒のサービス→機内販売→軽食のサービス
となっていましたが、
「ラマダン中なので、暗くなってからホットミールのサービスをしてあげた方がいいだろう」
というパーサーの提案で、最初に軽食のサービスをしました。
・・・しかし、意表を付いて皆さん普通にお召し上がりになっていたので、同僚達は、
「到着前に大きなサービスをするのは大変なので、こんなことなら順序を変えなきゃよかった・・・(;-_-;)」
と後悔していました。
 
そして実際、
「こんなことなら順序を変えなきゃよかった・・・(;-_-;)」
という事態が!
 
(注: お食事中の方は、この先は、お食事が済んでからお読み下さい)
 
到着前のホットミールサービスが始まった直後、お手拭を配り終わった時に、
ご年配(70歳くらい?)の男性客の具合が悪くなってしまったのです。
近くの乗客(←テヘラン便の機内では、本当に、見知らぬ人同士がまるで親戚のようにお互いを気遣い合って、感心させられるのですが)に呼ばれて行ってみると、
そのおじいちゃまの顔は本当に黄緑色になっていて、今にももどしそうな様子。
周りの座席からシートポケットから吐袋をかき集め、おじいちゃまのお隣におかけだった奥様に手渡し、私は別の同僚に
*パーサーとコックピットに連絡を入れ
*冷たいタオルを持って来て欲しい
と頼みました。
 
おじいちゃまのところに戻ると、いよいよ戻されそうになっていらしたので、
右手で(シートポケットに入っている)『安全のしおり』を団扇代わりにあおぎ、左手で吐袋を持って・・・
角度的に、吐袋の中がどうしても見えてしまってxxx
・・・"何か食べ物ではない大きな物体"が見えたのですが、何だかわからぬまま、そのいっぱいになってしまった吐袋を受け取り、ウェイスト・トローリー(=ゴミ箱)にポイッ!
二つ目の袋に引き続き・・・
しばらくして吐き気が少し収まったようだったので、機内備え付けのファーストエイド用酸素ボンベで酸素吸入。
気が付くとパーサーをはじめ、私の他に3人も同僚達が集まってきてしまっていたので、
「そういえば、お食事のサービスを始めないといけないのでは・・・??? 急がないと、到着までに終わらなくなってしまうかも・・・」
と我に返り、
「こんなに大勢いなくても大丈夫でしょうから、私達は先にギャレーに戻ってミールトローリーの準備をしていますね!」
と同僚1人だけ残してギャレーへ・・・戻る途中に
「あそこの女性客が具合悪そうなのですが・・・」
と引き止められ・・・
 
呼吸困難に陥っている若い女性客。
同僚がファーストエイド用酸素ボンベで酸素吸入。
すぐに回復された様子でホッとしました。
 
すっかり遅れてしまったミールサービス、しかも、ラマダンを考慮して軽食サービスと順番を変えてしまった為、
ホットミールをお出しする=時間がかかる方のサービス。
(到着までに終えられるのか?!)
という不安を笑顔の裏に隠しながら、テキパキとサービスし、何とか間に合いました・・・ε-(^。^;)ホッ
 
テヘラン到着直前に、
「さっき具合が悪くなったおじいちゃま、入れ歯を一緒に戻しちゃったらしいんだけど、誰か知らない?」
と同僚。
吐袋の中にあった、あの、"何か食べ物ではない大きな物体"は、おじいちゃまの入れ歯だったんだxxx
「あ・・・それなら、吐袋の中だわ・・・うっかりそのままウェイスト・トローリーに捨てちゃった・・・」
と、私がウェイスト・トローリーの中を探そうとすると
「わーそんなことしなくていい! 時間もないし、おじいちゃまには新しい入れ歯を買っていただくことにしよう!」
おじいちゃま、ごめんなさい・・・m(_ _)m
 
テヘラン到着後、降機前に、ステーションマネージャーが持ってきたクルー用ヒジャーブ(髪を隠す為のスカーフ)とアバーヤ(身体の線を隠す為のコート)を着用。
(私達のは紺系なのですが、ルフトハンザは黒いそうです)
 
ホテル到着後はそのままクルー専用フロアへ。
クルー専用フロアでは、普通の格好ができます。 他のフロアーへ行く場合は、やっぱりヒジャーブアバーヤを着用しなければなりません。
去年は5階だったクルー専用フロア・・・(射撃事件があったせいか)11階に変わっていました。 
 
同僚達とクルールームでクルードリンク(・・・といってもイランではお酒は飲めませんが)の後、就寝。
翌朝は同僚達と一緒にクルールームで朝食後、同僚達の何人かはバザールへ。
私は、補習校保護者会役員の仕事が気になって、ビジネスセンターでメールのチェック。
夕食も同僚達と一緒にクルールームで。
ルームサービスでタイ料理を頼んで食べました。 イランでタイ料理・・・というのも何だかちょっと変ですが、とても美味しかったです♪
 
テヘラン・・・学生寮あるいは修学旅行みたいで、やっぱり楽しい (*^-^*)
 
次もテヘラン便です・・・もう明日から!
今度は2泊あるので、何かDVD(ジブリのアニメにしようかな・・・)を持っていこうと思っています♪
 
 

フライト日記 (Lagos)

2009年9月
(LOS)
 
前の日も夜遅くまで、当日も家を出るギリギリまで、
日本語補習授業校の保護者会役員のメール、(オランダ人向け)日本語講師のアルバイトのレッスン予約メール、(4月から始めた日本人の子供向け)日本語講師のアルバイトの掲示板へのコメント等におわれ、慌しく空港へ・・・頭の中のモードの切り替えは電車の中で。
 
ラゴス便はテヘラン便と、不人気便の首位争いをしている路線・・・(^^ゞ
理由は、ナイジェリアが未だに政情不安で物騒なこと(→滞在中は、クルーホテルから出られません)と、ナイジェリアの人々が不躾だということ。
・・・オランダ人は、ナイジェリア人の英語が失礼だと言いますが、日本人の私からすれば、オランダ人の英語が(オランダ語から直訳した英語を使うと)もう既にかなり失礼で驚き済みなので、
ナイジェリア人に「Give me Coke!」と言われても、(ナイジェリア語から直訳した英語はきっとそうなんだろうな・・・と思うと)特に腹が立つこともなく・・・(笑)
 
それに、ナイジェリアも他の国々同様、この10年で随分変わりました。
英語もすっかり達者になって、ちゃんと「Coke, please!」とほとんどの人が「Please」を付ける様になったし、
服装も、以前は民族衣装の方々が多かったのが、すっかり洋服になって、しかもオシャレです。
 
でも、ラゴスの空港からクルーホテルまでは前後に警備の車が付き、クルーバスの窓は(中にクルーが乗っていることを悟られないように)全て曇りガラス・・・というのは相変わらず。
 
クルーホテル到着後、ホテル内のバーでクルードリンク。 
飲んでいるのは、クルーと石油会社の駐在員で欧米人がほとんど。
以前のようには現地の娼婦の姿は見かけなくなりました。
 
同僚達と話していると、バーテンダーがグラスワインを持ってきました。 
「注文していませんが・・・」
と戸惑うと
「あるお客様から、あなたに・・・今夜最も可愛らしい女性へ、とのことです。」
「どなたですか?」
「お教えできません」
 
どなたか存じませんが、ありがとうございます・・・
 
翌日は、朝食の後、部屋に戻って(←ナイジェリアはまだ政情不安の為、滞在中ホテルの外には出られないのです)、週末の日本語補習校の中学部の茶話会と、その後の役員会の準備をしました。
ランチは、同僚達と約束して一緒に。 
前回いただいてすっかり気に入った、激辛チキンシチューをまた注文。
超辛かったですが、美味しかったです♪
 
仮眠を取って帰りの乗務。
ホテル出発前に、クルードリンクで親しくなったルフトハンザ航空のCAの方々と再会。
「是非一緒に写真を!」
と頼まれて写真を撮りました。 メールで送って下さるとおっしゃっていましたが・・・送ってくれるかな・・・?
 
帰りの便は満席。
今回、初めて「Bolletjes-slikker(ボレチェス・スリッカー)」(=直訳すると「小さい玉を飲み込む人」=麻薬を体内に隠して密輸する人)に遭遇しました。
体内でコカインが漏れてしまったらしく、痙攣を起こし、意識不明のまま(ギャレーに倒れたまま)スキポールに着陸後、救急車で病院へ・・・
助からないことが多いそうですげっそり  
ラゴス便は、50%でもフライトリーブが1週間しかないので、早くフライト日記を書かなくては・・・と思いつつ、補習校の保護者会役員のメール処理や、茶話会・役員会・総会・役員引き継ぎの準備におわれて、すっかり遅くなってしまいましたxxx
 
明日からテヘランへ行って来ます! 飛行機
 

フライト日記 (Montreal)

 
フライト・セイフティーの試験勉強(←無事100点満点で合格しました♪)や、日本語補習授業校の保護者会役員の仕事(←今月は茶話会や保護者総会があるので準備が忙しいのです)や、引越しの片付け(←まだ終わってない・・・(^^ゞ)で、
更新がまたまた遅くなってしまいましたxxx
 
2009年8月
(YUL)
 
4月にトロント便とバンクーバー便が付いて、今度はモントリオール便・・・
今年はなんだかカナダ路線にご縁があります。
 
機種はMD11。
担当はエコノミークラスです。
 
以前にも説明したことがあったと思いますが、
MD11はエコノミークラスを6名のCAで担当するのですが、ギャレーが客室の最後部に1つしかなく、
6人が1つのギャレーで働きます。
 
客室には通路が2本。 そこにCAが3人ずつ、前・中・後部に分かれてサービスします。
 
後方部担当者(2名)は・・・まず、ギャレーでの全員分のトローリーの準備を担当し、前方部と中間部を担当する同僚達をキャビンに送り出してから客室後方よりサービススタート=ギャレーでの手際良い働き振りが要求されるポジション 
 
中間部担当者(2名)は・・・前方部担当者が担当エリアのサービスを終えたら、自分のエリアを引き継いでもらい、自分は後部担当者の残りのエリアを引き継ぎ、後部担当者が先にギャレーに戻ってトローリーの片付け&次のサービスの準備に取り掛かることができるよう配慮する(←6人が同時に戻るとギャレーが混雑してトローリーの片付けが大変なので)=臨機応変な対応を要するポジション
 
前方部担当者(2名)は・・・サービス開始ギャレーからエコノミークラス最前列まで、トローリーを延々と引っ張って行き、自分のエリアのサービスが終わったら、中間部担当者のエリアを引き継ぎ、最後部のギャレーに戻るまでの帰り道に同僚の担当エリアのお客様のおかわりの要求にお答えしながら戻る=体力と気力(?)を要するポジション(笑)
 
MD11のエコノミークラスのサービスがスムーズに運ぶか否かは、チームワークの良し悪しで決まると言っても過言ではありません。
今回は、私は中間部の担当。 
本当は前方部担当が好きなのですが・・・沢山歩くと痩せるので(笑)
 
オーバーブックで満々席のフライトでしたが、パーサーのクラリサが本当によくフォローしてくれた(=ギャレーからこちらの様子を伺い、ギャレーから何か必要な物があると、すぐに察して届けてくれた)お陰で&最高のチームワークで、気持ち良くサービスすることができました。
 
モントリオール到着後は、クルードリンク+夕食へ。
クルーホテルに到着して30分後にロビー集合(←オランダ人は支度が早い・・・)だと言うので、(そんなに早くシャワーを浴びられない私は)行き先を聞いて、後からレストランへ向かいました。
 
最後にモントリオールに来た時(少なくとも5年以上前)は、別のクルーホテルだったので、なんだか知らない街に来たようでした。
ホテルから3ブロック先のCrescent通りにある、Winnie’sというレストランが、どうやら彼らのお気に入りらしい・・・(←クルーホテル内に好みのバーがないと、彼らはどこかしらホテルの近くにお気に入りのバー/レストランを見つけて、行きつけの店にする習性があります)
のですが、通りに面したテラスには同僚達が見当たらない・・・( ̄_ ̄|||)
どうしようか悩んでいると、シニアパーサーのシリルが
「あんまり混んでたから、斜向かいのお店に変更したんだよ」
とわざわざ迎えに来てくれました。
斜向かいと言ってもかなり遠い・・・よく見つけられたなぁと感心。
お店の名前を忘れてしまいましたが、ホウレン草のサラダをいただきました。 とっても美味しかったです!が、とっても高かったですxxx
 
翌日は、同僚達とホテルで朝食後、楽譜を探して本屋とHMVへ。 結局楽譜は置いていませんでした。
つい、全然安くもないのに、HMVでDVDを買ってしまいました。
の5本。
『Sliding Doors』と『Chances Are』はお気に入りの映画の一つ。
『The Man in the Iron Mask』は三銃士の続きのお話しで、子供達に見せたいなぁと思って。
『Alfie』は大好きな歌と同じタイトルだったからつい。
『Shall We Dance?』はなんとなく。
お店の人に
「カナダのDVDを見られるプレーヤーを持っていますか?」
と聞かれて、
「アメリカと同じNTSCですよね? 大丈夫です」
と買ってきましたが、家で再生しようとしたら再生できない・・・( ̄□ ̄;)!!
リジョンコードというのを初めて知りました。 
確かにアメリカとカナダは一緒ですが、日本やオランダとは別なんですネ。 (←日本が、アメリカでなくヨーロッパと一緒のリジョンというのも意外でした)
PCのリジョンコードを変更して何とか見ることができましたが、これからはアメリカやカナダではDVDは買わないようにしないとxxx
 
帰りの便も満席。
夜のフライトだったので、サービスの合間にコックピットで星を観ました。 木星が相変わらずとってもきれいでした 星
 
今回、エバリュエーション(=人事評価=パーサーに仕事ぶりをチェックされる)だったのですが、
シニア・パーサーのシリルが、ものすごく高く評価してくれて、過去最高のレポートをいただきました。
これからも、がんばろう!と思いました。 シリル、ありがとう!!
 
次のフライトは、明日から・・・ラゴス便です 飛行機