(この乗務の後、友人の結婚パーティーと高校の同窓会の為、再び一時帰国。戻った翌日からは娘のマリアの卒業ミュージカルのお手伝いをすることになって、毎日マリアと一緒に登校、ミュージカルの歌の指導や大道具・小道具作りをし、家に帰ってからも編曲や、衣装縫いなどをしているうちに、次の乗務が入り・・・と、またまた1ヶ月遅れのフライト日記になってしまったことをお許し下さい・・・m(_ _)m)
2011年5月
(NRT)
一時帰国(←毎年、日本のゴールデンウィークと同時期の『チューリップ休み』というオランダの学校のお休みに合わせて子供達と一緒に一時帰国するのですが、今年は原発事故のこともあり私一人で帰国しました)
から戻った4日後から再び東京便乗務。
今回も、会社のボランティアグループWings Of Supportからスーツケース2個余分に借りて、自分のスーツケースを含めて合計スーツケース3個分の救援物資を日本へ。
・・・と思っていたら、スーツケース3つに入りきらず、もう1個スーツケースを借りて、今回はスーツケース4個持って出発。
機種はボーイング747-400型機。
担当はAゾーン(=1階のビジネスクラス)。
震災後、前回までは、こんなに乗客が少なくて大丈夫なのだろうかと心配になるくらい空いていた東京便でしたが、
今回はかなり混んでいました。
外国人乗客数も大分戻り、ちょっと安心しました。
久し振りのビジネスクラス担当。
和食のミールサービスが変更されて(→元々そうあるべきだった本来のサービス方法になって)からは初めて・・・ですが、
和食を前菜と主菜に分けずにお出しする方法は、私は既に昔から試験的に度々実行していたことなので、
ようやく堂々と、見た目も美しい和食トレイをお客様にお出しできるようになって、本当に嬉しいです(*^-^*)
お客様からも好評でした♪
しかしながら、この和食トレイの出し方が変わったというお知らせが、
ギャレーに貼られるギャレーブリーフィングというものにしか記載がなく、
貼り忘れるパーサーも多いし、貼られても読まない同僚が多いので、
前回もそうでしたが、皆、変更があったことを知らない・・・(^^;
只今、会社に、社内報や社内ウェブサイトにも記載して欲しいと交渉中です。
満席でしたが、同僚達も手伝いに来てくれ、和気藹々と楽しくサービスできました(^-^)
成田空港の薄暗さにも慣れました。
今まで随分と電気の無駄遣いをしてきたのだろうな・・・と思う反面、
いつかあの明るさが戻る日が来ますように、とも願う・・・
成田のクルーホテル到着後は、いつものように、まずは救援物資の発送手続き。
より多くの救援物資を送れるようにと、会社がダンボール100箱分の箱代と送料を持ってくれることになっていたのですが、
(こちらから問い合わせた訳ではなく、私が乗務の度に救援物資を持って行っていると人伝に聞いて、是非協力したいと会社の方から声をかけてくれたのでした・・・感謝)
それは他のオランダ人の同僚達が利用できるように、私は別料金で。
スーツケース4個にぎっしり詰まっていた荷物を、種類別にダンボール箱に詰め替え、
(できるだけ送料を安くできるよう、ダンボール箱数を減らす為、隙間なく詰めるパズルをしているようでした・・・笑)
宛先を書き(福島県南相馬市の学校の校長先生宛)、
発送手続き完了。
シャワーを浴びて、2時間ほど仮眠を取り、実家へ。
翌日は例の如く朝から同僚達の東京案内。
雨模様だったので、今回は範囲を狭めて、
明治神宮→竹下通り(100円ショップ)→表参道(回転寿司)
のみで早々にクルーホテルに戻りました。
帰りの便もほぼ満席でしたが、
和食サービスが好評で、とても嬉しかったです(^-^)
(以前は、小鉢類を前菜として出し、後からご飯とお味噌汁を主菜として出すという、洋食サービスに合わせた変なサービスをしていた為、お客様からよく「ご飯は付かないのですか?」と質問されたりしたものです・・・(^^;;)
こちらは4月末に発行された社内報の記事↓
オランダでのチャリティーコンサートのこと、毎フライト救援物資を運んでいること
(震災後、3ヶ月間ずっと東京便だけをアサインしてくれた会社に感謝・・・!)
を紹介してくれ、
5月末まで、段ボール箱100箱分とその送料を会社負担にしてくれる旨書かれています。
大勢の同僚達が協力してくれ、会社が用意したダンボール箱は、東京・大阪共に、数箱を残して全て使用されたとのこと。
オランダからの救援物資として同僚達にお願いしたのは、説明がオランダ語で書かれていても困らない物。
大抵の救援物資受付窓口が、同じ都道府県内からのみの受付となっていた中、
チャリティーコンサートやチャリティーバザー、そしてこの救援物資に関しても
オランダ人の協力体制には心底感激しました・・・
東日本大震災に対する慈善イベントとしては世界最大(日本を除く)規模だったとされる『アヤックス対清水エスパルスの慈善試合』(←義捐金の総額は600万ユーロ強)では、清水エスパルスの選手達を無料でオランダに招いたと聞いています。
義捐金や救援物資への協力体制ばかりでなく、
私達日本人乗務員に対する会社の心遣いにも感動。
時々会社から電話がかかってくるのです、精神的に大丈夫かと心配して。
「自分の家族は皆無事だったけれど、祖国がこんなことになってしまって悲しいし、
原発事故のことは、離れていても毎日不安て、
正直、心配疲れを感じる。
乗務の時はもちろん笑顔でサービスするけれど、心の中は・・・。
本来日本人は、感情を表に出さないので、
こうしてそちらから聞いてもらえるとありがたい。
日本ベースの日本人の同僚達も同じだと思うので、
どうか十分にケアして欲しい。」
と話しました。
こんなに働きやすい会社とご縁があったことに改めて感謝しています。