フライト日記 (Tokyo)

2010年11月
(NRT)

3連続で東京便を頂き、夏休み以来毎月帰っている日本。
以前はこんなことはなかったので、本当に嬉しい限りです(*^-^*)

今まで11日間だった東京便のトリップサイクル(=乗務に出ている日数+フライトリーブの日数)が、いつの間にか10日間になり(=2泊4日の東京便はフライトリーブが7日から6日に短くなった)、
50%で乗務している私のフライトリーブは18日から16日になっていました。
(↑ 50%で乗務すると、フライトリーブだけが2倍になるのではなく、トリップサイクル全体が2倍になるので、トリップサイクルが11日なら22日、10日なら20日となり、東京便は4日乗務+18日リーブだったのが、4日乗務+16日リーブになりました)

16日もあったら十分というか、本当は10日くらい休んだらもう次の乗務に出たいくらいなのですが、今回に限っては、トリップサイクルが今までどおりだったら伺えるはずだった教会のチャリティーバザーのお手伝い(着物でお手伝いすることになっていたのです)に伺えず、本当に残念でした。

リポーティングは午後4時5分。
「メールボックスに入らない大きな荷物が届いているので平日の8:30~15:30の間に取り来るように」
という手紙を先月受け取ったものの、東京便は16時過ぎ出社/18時過ぎ退社の為、ずっと取りに行けずにいたので、
今回は早めに、15:30前に空港に到着するように行こう!
と、14:00頃家を出て、ユトレヒト中央駅で14:28発の電車に乗ろうと思ったら、
会社から電話が・・・
「ディレイです。 新しいリポーティング時間は18:20。」

メールボックスの荷物も早く受け取りたいし、でも、2時間以上空港で待機するのも・・・万が一ディレイが長引いてキャンセルにでもなったら・・・

暫く悩みましたが、結局一旦帰宅してピアノの練習をすることに。
「学校から帰ってくる頃には、ママはもう空港へ行っちゃってるからね。」
と、朝見送った子供達にも会えました(*^-^*)

そして2時間後の16時、再びユトレヒト中央駅へ。
駅に近づくと、路面電車が運航停止になっていて、上空にはヘリコプター、駅前にはパトカーが止まり、警察官が大勢出動しているのが見え、少々不安に・・・

駅構内は人でごった返していました。
人をかき分けかき分け電光掲示板前まで来ると
「火災消火作業により、運航前面停止中」

どうする・・・?
運行再開の見込みはなさそうだし・・・
ユトレヒトからスキポールへのバスもないし・・・バスでアムステルダムに出てそこから空港へ向かうか・・・乗務前にそんなストレスを感じそうなことはしない方がいいか・・・じゃあタクシー? 一体いくらかかるだろう(←オランダはタクシー高いのデス)・・・

とりあえず、テレビでニュースを確認してもらおうと元夫に電話。
ユトレヒト駅の管制室で火災が発生したらしい。
ユトレヒトはオランダ鉄道網の中心なので、鉄道網は完全にマヒしてしまっている様子。
(こういう時、日本のように他にも沢山路線があるといいのですが・・・)

タクシーを使うのはもったいないからと、急遽、元夫が子供達も一緒に空港まで送ってくれることに(感謝!)
お陰で、リポーティングタイムの10分前に到着・・・ε-(^。^*)ホッ

しかし今回は駅を無駄に2往復もしてしまった(苦笑)

機種はボーイング747-400。
ディレイの理由を聞くと、故障した訳ではなくて、飛行機が足りなかったからとのこと。
今月から週末は一日2便、東京へ飛ぶようになり、飛行機を上手くまわせていないらしい・・・(^^ゞ

担当はビジネスクラス。
UD(=アッパーデッキ=2階のビジネスクラス)に日本人の大先輩Fさんと入りました。

前々回の東京便でもご一緒させて頂いたFさん。
ご縁のある人には本当に何度もお会いできるんだなぁ・・・と感心&感動。

一日2便になって間もないせいか、たまたまなのか、珍しくガラガラで、UDにはお客様がたったの6名。
通常は、ビジネスクラスは忙しいので、エコノミークラス担当の日本人乗務員が日本語のアナウンスを入れるのですが、今回は空いているからと、Fさんが担当して下さいました。
今は先輩よりも新人の方が人数が多い為、先輩のアナウンスを聞く機会もあまりないであろう新人の方々にとって、大先輩のアナウンスを耳にすることができるというのは滅多にないチャンス。
私も久し振りに大先輩の”これぞKLMのアナウンス”というアナウンス(←やはりアナウンスも会社によってカラーがありますから・・・私は先輩方の、とてもアットホームでありながら美しい日本語アナウンスが本当に好きです)を聞くことができて感激でした。

Fさんといえば、以前やはりUDでご一緒させて頂いた時、同僚が置き去りにしたバナナから湧いたショウジョウバエで大変な思いをした苦い思い出がありますが、
そういえばあれ以来、荷物入れの奥に腐ったバナナがないか確かめるようになりました(笑)

Fさんとのおしゃべりを楽しみながらのフライト、とても勉強にもなりました。
大先輩の心の行き届いたサービスを目の当たりにすると、自分はまだまだだなとつくづく思います。

ただ・・・前菜と主菜に分けて出すことになっていて、ずっと腑に落ちない和食のサービス。
Fさんは、これは『茶懐石』だから、ご飯を後から出すのは構わないのだとおっしゃっていました。

う~ん・・・そうなのかな・・・
『懐石料理』なら、ご飯と汁碗は最後ではなく最初に出るのではなかったかしら・・・
『会席料理』では、確かに最初のお料理はお酒のつまみで、ご飯と汁碗は最後に出されるけれど・・・
それに、洋食同様に前菜と主菜に分けて、ご飯を後から出すのであれば、和食のホットミールの容器も洋食同様、(丸いアンダープレートにぴったり合う)丸い形でよかったはず・・・
それをあえて楕円形にしているのは、
やはり『略懐石』あるいは『松花堂弁当』のような形で、全て同時に出すべくデザインされたのではないかと、
折角ホテルホークラの総料理長が考案されたお料理と、その為にデザインされた和食器・・・総料理長がお考えになった通りに(=前菜と主菜には分けずに一度にお出しする)サービスすべきなのではないかと、
私は思ってしまいます。

( ↓ 乗客として乗った時に撮影)
( ↓ 小鉢が前菜として先に出されます)

( ↓ 小鉢が下げられた後に、ご飯とお味噌汁が主菜として別に出されます)
( ↓ 楕円形の食器と円形のアンダープレートはサイズが合っていない為、
ちょっとグラついています)
( ↓ オランダ人がサービスすると、ご飯が右側になったり
お味噌汁が左側にくることもxxx)

( ↓ こちらは、乗務の時にギャレーで撮影)
( ↓ 前菜・主菜に分けずに全て同時に出すと・・・
ご飯の楕円形の食器が綺麗に納まります)

楕円形の和食器を、(円形の為、乗せると楕円形の端が浮いてしまう)洋食用のアンダープレートに乗せてお出しすることに、
他の日本人の同僚達は疑問を感じていないのかしら・・・???

「どうしてご飯が最初から出てこないのか」
というお客様の声も多いし、何とかしたいと思うのですが、私は一乗務員でしかなく、しかも今は日本人乗務員としては乗務していない(=毎回日本路線ではない)ので、自分が乗務した時に工夫するくらいしかできないのが、本当にもどかしいです。

成田に到着したのは午後4時頃。
クルーホテルに到着後、着替えて実家へ向かいました。
定刻どおり着いていたら寄って行くつもりだったピアノの練習会も間に合わず・・・
午後8時過ぎに実家到着。

お夕食を頂き、時々睡魔に気を失いながら、両親の年賀状の宛名の住所変更・追加・削除の作業をし、来月購入予定のテレビ用棚のデザインをし、午前3時過ぎ就寝。

翌日は午前9時に起きて、オランダ人の同僚達と待ち合わせをした東京駅へ。
日曜日はやはり混んでいますね(O.O;)
浅草寺も明治神宮も、ものすごい人でした。
丁度七五三のお祝いで着物姿の子供達がいて、また、明治神宮では結婚式も何組か見ることができ、同僚達はとても喜んでいました。 よかった!
竹下通りの100円ショップと薬局で、オランダ在住の友人達からの頼まれ物の買出しをし、後は表参道のオリエンタル・バザールに寄って、ツアー終了!
・・・の予定だったのですが、明治通りに出たところでちょっとした揉め事が。
今回は6人連れていたのですが、1人はForever 21へ行きたい、1人はスターバックスでコーヒーを飲みたい、1人はホテルに戻りたいと言い出して・・・
私としてもあまり遅くはなりたくないので、アメリカで行った方が安いに違いないForever 21には乗務でアメリカ行った時に行って欲しかったし、スターバックスに入ったら時間のロスが大きくなるし、さっさとオリエンタル・バザール経由で東京駅に戻りたかったのですが、
Forever 21にどうしても行きたいイェニーが
「じゃあ40分後にここで!」
と言い残してお店に入っていってしまい・・・
スターバックスへ行きたかった人も然り。
残った4人と私は近くでクレープを買って待つことに。
(すっかり暗くなって、クリスマスイルミネーションが綺麗だったのは不幸中の幸い?)

オリエンタル・バザールでは、「興味ない」と言っていた人達も結局いろいろ買って、私もクルーホテルの友人で1月にオランダに引っ越してくるマリーさんへの結婚祝いを買って、東京駅へ。
バスの出発時間まで時間があったので、夕食を済ませてしまうことにしたのはいいのですが、ここでまた一悶着。
お寿司が食べたいという4人とお寿司は食べられないという2人。
では、お寿司も食べられるし、他のものも食べられるお店へ行こう!
と散々歩いて見つけた日本料理屋に入り、7人で座れるテーブルも用意してもらい、英語のメニューも持って来てもらったにもかかわらず、
お寿司が食べられないと言っていた2人が、
「やっぱり中華料理にする」
と言って出て行ってしまい・・・
「だったらお寿司屋さんがよかった」
という4人。
中華料理屋へ行ってしまった2人が心配で見に行くと、やっぱり言葉が通じていない様子。 オーダーだけ手伝って、私は日本料理屋へ。

高速バスでホテルに戻ると、別れ際に
「食事の時、あんなことになってしまって、本当に恥ずかしかったわ」
と囁いたのはForever21に行きたくて皆を40分も待たせたイェニー。
「気にしてないから」と苦笑い・・・(^_^;)

皆が眠ってしまったので、私一人でクルーホテルのバーに。
もうすぐ渡蘭予定のマリーさんに早速お祝いの品を渡し、モスコミュールをビアジョッキで3杯頂き、閉店までカラオケ♪
クルーホテルでマリーさんに会うのは今回が最後だったので、バー閉店後、一緒にドンキホーテ(←初めて入りました)に買い物に行き、松屋(←初めて入りました)で食事。 夜中の2時過ぎにビビン丼食べてしまった・・・(ちょっと反省)

マリーさん、今度はオランダで会いましょう(*^-^*)

翌日はディレイもなく(→行きの便がディレイすると日本滞在が短くなってしまうので悲しいですが、帰りの便がディレイする分には、日本滞在が長くなるので嬉しい・・・お客様には申し訳ないのですが・・・でも滅多にディレイしませんxxx)、いつものようにほぼ満席で、オランダに戻って来ました。

この日も休憩中はOCR(=Overhead Crew Rest)には行かず、サービスリマークを書いていました。 いわゆる会社への苦情報告です。
日本語のメニューの日本語訳は相変わらず間違いが多いし、
今回はデルフト焼きのミニチュアハウスに落書きが見付かったり(ケータリングの悪戯?)、
また、スキポール空港のセキュリティーチェックでの非情な仕打ちに対するお客様からの苦情。 これは酷かったです。
アムステルダムに住むお嬢様を訪ねてオランダにいらした女性客が、スキポール空港のゲートでのセキュリティーチェック時に、前日買ったばかりのお土産のスカーフも外すように言われ、X線の機械を通したところ、それがロールに絡まって機械が止まってしまった際、セキュリティーの係員がそのスカーフをハサミで切り刻んでしまったとのこと。 元はといえば係員がスカーフをプラスチックケースに入れずにそのまま通してしまったせいで絡まってしまったのに、係員はスカーフを綺麗に取り出そうという努力はせず、無残に切り刻み、薄ら笑いを浮かべていたというのです。 お客様はどんなにショックを受けられたことでしょう・・・オランダの印象も、オランダ人の印象も、KLMの印象も、全てまとめて悪くなったに違いありません。
会社経由で空港に苦情が行くといいのですが・・・

アムステルダム到着前に、今回東京観光案内した6人が揃ってUDに上がって来たと思ったら、
「案内してくれて本当にありがとう。とても楽しい一日だった。今回の東京便はこれからずっと忘れないわ!」
とプレゼントをくれました。 オランダのカードゲーム。
私のツアーガイドは趣味というか病気?(=「日本は初めてなの」とか聞くと放っておけなくなってしまう病気?)なので、お礼の品なんていらないのですが・・・でも、喜んでもらえて嬉しかったです。

次のフライトは約2年ぶりのケープタウン。
3泊5日のスケジュールなので、オランダ在住の女友達を一人連れて行く予定です♪

追伸:
帰宅後メールをチェックしたら、スペイン在住のオランダ人の同僚から、もうすぐフランスに引っ越すので、その前に是非遊びに来て欲しいというメールが・・・
「あなたに北海道を案内してもらった札幌便は今でも私の乗務人生の中の一番の思い出ヨ」
日本ベースで乗務していた頃からだから、かれこれもう20年以上続けているオランダ人同僚へのツアーガイド。 日本路線に良い思い出を持った同僚が増えることは、私もとても嬉しいです(*^-^*)

フライト日記 (Tokyo)

2010年10月
(NRT)

(2本目の東京便のフライト日記デス♪)

50%で乗務していると、大抵月に2本フライトが入るのですが、
10月は2本とも日本路線(*^-^*)

出発日は土曜日。 私が乗務の時はマリアの日本語補習校の送り迎えは元夫が担当することになっていたのですが、
午前中に予定を入れてしまったとかで(・・・ありえん(-_-#))
本当は乗務前はゆっくり休みたかったのですが、
朝7時に起きてお弁当作って、往復約3時間かけてアムステルダムの日本語補習校までマリアを送って、ユトレヒトに戻って来てから1時間仮眠を取って、大急ぎで支度をして空港へ。
乗務前から疲れちゃいそうxxxと心配しましたが、1時間仮眠を取ったら結構元気になりました(*^-^*)

朝のことを悪いと思ったのか、補習校へのお迎えついでに、空港までは元夫が車で送ってくれました。
(しかし車の中でまたありえない申し出が・・・また改めて書きます(^^;))

機種はボーイング747-400型機。
担当は(前回同様)Aゾーン=1階のビジネスクラス。 
(東京便に乗務する時は、UD=2階のビジネスクラスには既に1人日本ベースの日本人乗員がアサインされているので、通常はオランダ人乗務員がアサインされるAゾーンに、エクストラの日本人乗務員として私が入ることが多いです。)
満席。

今回のパーサー、ヨー(Joと書いて、オランダ語読みでヨーと発音します)は、本当に頻繁にタイミングよく手伝いに来てくれて助かりました(*^-^*)

今回も、洋食と和食のホットミールの仕上がり時間を調整して、
和食は前菜・主菜に分けずに、
見た目も美しい『松花堂弁当』あるいは『略式懐石』風に出せるよう工夫したのですが、
事情を理解してくれたヨーのアシストで、
「毎回、このようにサービスできたら完璧!」
というサービスができました♪
この、洋食は洋食式に、和食は和食式に、サービスする方法を、
なんとかしてオランダ人CAでも分かるマニュアルに仕上げられれば・・・
ちょっとやっぱり考えてみようと思い直しました。

普段は行かないOCR(=Overhead Crew Rest)ですが、
今回は成田到着後、クルーホテルへは行かず(=仮眠を取らないで)そのまま合唱の練習へ行くことになっていたので、
久し振りに行ってみました。
結局眠れませんでしたがxxx

成田到着後、クルーホテルには翌日チェックインする旨ホテルに伝えて欲しいとヨーにお願いし、
翌日午後7時のクルードリンクに間に合うよう戻ると約束して、
西日暮里に向かいました。

来年、『銀祝』と呼ばれる、中学高校の卒業25周年記念式典があって、
「私達は、毎年合唱祭(←渋谷公会堂で行われてました)で最優秀賞を総なめにした学年だったのだから、是非何か歌いましょう♪」
と、数年前から『合唱同窓会』なるものを開いていたのですが、
いよいよ本格的に練習することになり、
たまたま成田到着日が2ヶ月に1度の練習日に当たったので、
西日暮里なら実家への帰り道になるし・・・と、参加することにしたのです。

でもやはり、西日暮里に付く頃には疲れがジワリジワリと出て・・・
駅の売店でリポビタンD(←好物)を飲んで頑張りました(^-^)/

『合唱同窓会』では、中学高校時代に歌ったミサ曲等10曲を練習していたのですが、
これからは、『銀祝』で歌う予定の曲を集中的に練習。
ヘンデル作曲『ハレルヤ』(英語)
ハイドン作曲『御空は語る神の栄誉(天地創造より)』(日本語)
モーツアルト作曲『グロリア(戴冠ミサ曲より)』(ラテン語)
・・・の予定でしたが、
練習に参加せずにいきなり当日歌う人にはラテン語の歌詞を思い出すのは大変では?
という意見もあり、歌詞が日本語訳になっている
ロッシーニ作曲『信仰』
を歌うことに。

頭はボーっとしていましたが、やっぱり合唱はいいですね♪
気持ち良かったです。
日本に住んでいた頃は毎年歌っていた『両国国技館の5000人の第九コンサート』、
日程が合ったら、また参加したいな・・・まだ暗譜で歌えます(^-^)/

夕食は実家で。
途中から妹も加わって、ワイン(北海道のハスカップワイン)とリモンチェッロ(カプリ島土産)を飲みながら語らいました・・・気が付いたら午前3時を回ってました=オランダ時間だと日曜日の午後8時=ということは土曜日の午前7時に起きてから(1時間仮眠は取りましたが)37時間経過・・・翌日オランダ人の東京観光案内を入れないでおいてよかった・・・

翌日は11時までゆっくり寝て、実家で遅いランチを頂き、夕方成田へ向けて出発。
電車に乗る前に、ミハーリに頼まれたwii用の新しいゲームとマリアに頼まれたネイルチップ(小学校でのクリスマスディナーの時に付けたいのだとか)を駅前で購入、それから30分だけヤマハ音楽教室のピアノを借りて練習♪

クルーホテルには午後7時到着。
クルードリンクの待ち合わせ場所であるホテルのバーで同僚達と合流。
翌日の帰りの便の機長ロバート(←キャビンクルーは2泊のスケジュールだったのですが、コックピットクルーは1泊のスケジュールだった為、行きと帰りとでメンバーが異なるのです)も合流。

この機長のロバートとは割りと最近やはり東京便を一緒に乗務し、その時は行きの便だったので、到着日に実家へ向かった私は夜は別行動だったのですが、
東京便は1泊しかないというのに、クルードリンク後は20時発のホテルのシャトルバスで成田駅へ出て、何時にどこそこで夕食を食べ、何時にどこそこのバーで飲み、次に何時にどこそこのバーへ・・・といった、超緻密な夜の予定表をお持ちで(笑)
一見とっても真面目で大人しそうなのに、実はごくアクティブで、そのアンバランスさが可笑しい機長のロバート。
「今回もまた同じスケジュール?」
と聞いたら、そうだと言うので、今回、ついて行ってみることにしました。
ヨーや他のキャビンの同僚達は疲れたので遠慮すると言うので、ホテルのお向かいの日本料理レストラン『やまと』に案内し、注文のヘルプをして、梅酒1杯だけ一緒に飲んで、私は再びクルーホテルへ。

20時。 前回同様ホテルのシャトルバスで成田駅へ向かいます。
後から来た彼の同僚達(=副操縦士&セカンドオフィサー)も同行。
駅から10分くらい歩いたでしょうか、よくもまぁこんなお店を見つけたなぁ(O.O;)と驚くような場所にあるお好み焼き屋さんに入店。 お気に入りのお店らしい。
セカンドオフィサー、副操縦士、私、機長の順にカウンターに座り、
(この時なぜか「5人」と言った機長・・・ビールで既に酔っていたのかも)
お好み焼きとビール(私は冷酒)を注文。
副操縦士に
「男性の中に女性一人だと、大抵の女性は男性を意識した態度を取るけれど、
 君は変わらないね」
というコンプリメントを頂きました。
はい、私にとって、男性・女性関係なく、同僚は同僚です(*^-^*)

食後は、まず、ベルギー人の元スチュワードが経営しているというバー『ジェットラッグ』へ。
すっかり勝手知ったるという感じで奥のテーブルへ行き、ポケットからおもむろにトランプを取り出す機長・・・楽しいゲームがあるからやろう!とのこと(笑)
「A」「K」「Q」「J」だけを使ったゲームで、同じマークを揃えるのに不必要なカード1枚を左の相手に渡し、右の相手から渡されたカードを加え・・・というのを繰り返し、
どれでも同じマークが4枚揃ったら、テーブルの上のペンを取り、
誰かがペンを取ったら、4枚揃っていなくてもペンを取る。
このペンが、4人でプレイしているのに3本しかなくて、
ペンを取れなかった1人がバツとしておつまみのポップコーンを取ってくる、
というゲーム。
これを1時間くらいビール(私は白ワイン)を飲みながらやって、次のバーへ。

ところがここがガラガラで、混んでないとつまらない(機長のご意見)からと、成田駅近くのカラオケバー『ケージ』へ。
オランダ人の同僚達からよく耳にしていたお店で、エアラインクルーで混み合っていました。
ここでも彼らはビールで私は白ワイン。
カラオケに日本語の歌が入っていないとのことで、英語の歌を何曲か歌った後、
日本語の歌も歌える『スカイライン』(←クルーホテルの近くの、ペルー人が経営するカラオケバー)へ行こうと誘って、タクシーで行ってみると、残念なことにやっておらず。
クルーホテルのバーも閉まっていて、これでもうお開きか・・・と思いきや、
「お腹が空いたから、自転車借りて、どこかへ食べに行こう!」
って・・・機長、面白過ぎ(^_^;)
午前1時過ぎにホテルの自転車をレンタルして、夜道を自転車で10分くらい走ったでしょうか・・・機長が、アパートの2階のような場所にレストラン?発見。
そこでお食事して(アルコールは、乗務前の時間制限を過ぎたので飲まず)、
ホテルに戻ったのは午前4時。
12時15分のCallingまでぐっすり休めました(笑)

13時15分のPickUpTime前に、ホテルのロビーに集合すると
コックピットの3人が、パーサーのヨーに
「misaeをUD(=2階のビジネスクラス)にアサインして欲しいんだけど、いいかな」
と聞いています(O.O;) 
ヨーは特に驚くことなくあっさりと
「misaeに恋しちゃったのね(笑) UD担当の二コレットがAゾーン(1階のビジネスクラス)に移ってもいいなら、私は構わないわよ」
・・・という訳で、帰りの便は、UDで働くことになりました(笑)

相棒の日本人の同僚は、今秋入社されたばかりの方だったので、
いろいろ気付いたことを伝えながらの乗務となり、
結局コックピット・ケア(=ボーイング747の場合、UDにアサインされたCAが、コックピットの食事等のケアをします)には必要以上(=30分に1度←コックピットクルーの安全確認の為、コックピットケアにアサインされたCAは、少なくとも30分に1度はインターフォンで連絡を入れ、飲み物等を運んだりすることになっています。)には行かれなかったのですが、
コックピットからのご指名(?)、光栄でした(笑)

機長のロバート、到着前のフライト情報アナウンスの最後に、日本語でご挨拶していました・・・何年も前(もしかしたら10年以上前)、彼がまだ副操縦士だった頃、シンガポール便で一緒になったことがあって、その時にローマ字で書いてあげた日本語アナウンスのメモを今でも使っていてくれたのです。
日本路線で、オランダ人クルーが日本語でご挨拶・・・すごく好印象だと思います。 私も、到着後のお別れのアナウンスだけですが、オランダ人のお客様宛てに、日本語の後にオランダ語でご挨拶しています。 
「次の日本へのフライトでも、機上でお目にかかれますように・・・」
と。

今回もとても楽しい&いつも以上にアクティブなフライトでした(*^-^*)

フライト日記 (Tokyo)

2010年10月
(NRT)

(実は10月11月と東京便を3連続で頂き、先日2本目の東京便乗務から戻ったところなのですが、まずは1本目の東京便のお話から・・・)

両親とのナポリ旅行から戻った翌々日からの乗務は東京便。

この便で両親を日本に連れて帰ることもできたのですが、
オーバーブックしていたこともあり、
両親には(ドバイ便に引き続き再び)子供達と一緒にオランダで待っていてもらうことに。
(それはそれで楽しく過ごせたようでよかったです(*^-^*))

リポーティングは夕方4時。
午後2時半に出れば余裕で空港に到着(←電車に乗ってしまえば35分で空港に着くので)。
・・・のはずだったのですが、ユトレヒト中央駅に来てみると空港行きの電車が走っていない?!
インフォメーション前は人だかりでしたが、順番を待って、空港までどのような経路で行けばよいのか聞いて、指示された電車に乗ろうとホームへ行くと、電車は丁度出て行ってしまったところ・・・次の電車は30分後で、乗り継ぎが上手くいけばギリギリ間に合うかどうかという時間=少しでも電車が遅れたら遅刻・・・( ̄□ ̄;)!!
やむを得ず元夫に電話して、空港まで送ってもらいました(感謝)

機種はボーイング747-400型機。
担当はAゾーン(=1階のビジネスクラス)。
満席。

AゾーンはCA1人で18名担当するので(ちなみにUD=2階のビジネスクラスはCA2人で24名担当=CA1人あたり12名担当します)、
いつもパーサーが手伝いに来てくれるのですが、今回のパーサー(日本路線によく乗ってくるというエリック)はいつもタイミング悪く登場→丁度お手拭を配り終わった時に「お手拭配ろうか?」とか、丁度お食事のチョイスを聞き終わった頃に「食事のチョイス取ろうか?」とか・・・ヘルプが必要な時(=例えばお食事のサービスで主菜を出した後すぐにお出しするお味噌汁や日本茶をギャレーで予め作っておいてくれるとか)にはいないxxx
一人でももちろんこなせるサービスですが、お客様をお待たせしないで済むので、やっぱり手伝ってもらえるとありがたいのです。

先月、KLM OPEN(=KLM主宰のゴルフトーナメント・毎年行われているらしいのですが、
今回、東京便が増便されることもあり、1日だけ特別に日本企業をお招きするとのことで、お手伝いに呼ばれたのです)
(⇒写真はフォトアルバムにアップしてあります)で、
ホテルオークラ・アムステルダムの総料理長のお話を伺う機会を得、
これほど著名なシェフが考案して下さった和食メニュー、きちんとサービスしたいと改めて感じ、今回もそれを極力試みました。

会社からの指示では、和食も洋食同様に、前菜→主菜の順でサービスすることになっています
(⇒オランダ人CAの中には、洋食のように、スープ=お味噌汁だけ先に出してしまう人もいるらしい・・・(^^;))
が、
和食は前菜(お刺身などの小鉢)と主菜(ご飯)を分けないで同時に出すようにデザインされていることは、和食のトレーや、ご飯の器の形(←小鉢と共にピッタリ綺麗におさまるように楕円形をしています)を見れば一目瞭然です。
思うに、丁度『松花堂弁当』あるいは『略式懐石』のような形なのではないかと。

乗務以外に年に4~5回一時帰国しますが、その際にも、
小鉢だけが前菜として出されて、
「ご飯は付かないのですか???」
と多くのお客様が質問されている光景を目にし、
自分が乗務する時は何とかしたいといつも思っていたので、
前菜を出すタイミングや、オーブンの時間を調整して、
洋食は前菜→主菜、
和食は前菜+主菜+お味噌汁、
と、
"本来あるべき形"でサービスできるように工夫しました。
頭も使いますし、手間もかかりますが、できなくはありません。
ただ、オランダ人の同僚達にこれを望むのは難しいかな・・・とも思っています。
(実際、KLM OPENで日本路線のプロダクトマネージャーに提案したところ、そんな面倒なことはしなくていいと言われてしまいましたし・・・)
ホテルオークラの総料理長がセレクトして下さった(※)素晴らしいメニューなのに、残念ですが。
(※ 総料理長自らが調理していると誤解されることも多いようですが、調理自体は、オークラから指導を受けたオランダ人担当者の監督の元、オランダ人調理師がしているとのこと。)

そしてOCR(=Overhead Crew Rest=客室の上に設置された休憩室)には今回も行かず。
「横にならないで大丈夫なのか」と同僚達は驚きますが、私は睡眠補給よりも食糧補給した方が元気が出ることがわかっているので、
休憩時間中はひたすら食べています(笑)
休憩時間に準備を終えておくと後で便利なことも沢山あるし、他にもギャレーにいれば何かしらやることがあるし、
休憩中は他のギャレーに遊びに行って(なかなか話す機会のない)日本人の同僚とおしゃべりもできますし、
夜間飛行ならコックピットに星を見に行ったりもできますから、
OCRに行く時間は、私にとっては勿体無い時間に思えるのデス。

という訳で、眠らなくても元気に成田到着。
両親はまだオランダですから、今回は実家には行かず、ずっとオランダ人の同僚達と共に過ごしました。
クルーホテルで仮眠後、午後7時にクルードリンク。
夕食はホテルのお向かいにある日本料理屋『やまと』で。 メニューはいつもの生姜焼き定食と梅酒。
夕食後はホテルの近くにあるカラオケ『スカイライン』へ。 オーナーのダニエルさんはペルーの方で、スペイン語か日本語しかお話しになりません。 
帰りはいつも車でホテルまで送って下さいます。 近いのですが、ありがたいです(*^-^*)

翌日は、オランダ人同僚3人を連れて東京観光案内。
いつもは、クルーホテルから出る高速バスが東京駅に着くので、東京駅でピックアップしていたのですが、
今回はホテルから同行できるので、バスではなく電車で上野へ。

コースは、いつもの
浅草~原宿~表参道に、同僚の希望で渋谷と新宿をプラス。
浅草では、雷門・仲見世・浅草寺、ついでにアサヒビール本社ビル、そしてランチ。
(ふぐ料理屋の水槽で泳ぐふぐを見せた後、日本料理の『あづま』へ)
渋谷では、ハチ公(←リチャード・ギアの映画を見た同僚が大喜びで写真を撮っていました)とスターバックスから眺める交差点(←これが同僚の希望の一つ)
原宿で明治神宮を見学した後、新宿は都庁の展望台へ(←東京を見渡せる場所へ行きたいという同僚の希望で)
表参道に戻り、オリエンタルバザーで買い物。
東京駅で高速バスを待つ間、お寿司が食べたいというので、地下街の立ち食い寿司屋へ。
これが安くて美味しくてビックリ(O.O;)(次から観光コースに取り入れよう・・・φ(.. ) )

夕食は成田に戻ってから前日と同じ日本料理屋で・・・
というのが同僚達の希望でしたが、残念ながら定休日。

仕方がないのでオランダ人から大人気の鉄板焼き屋『いまり』へ。
入ると他の同僚達が丁度食事中。
数分おしゃべりして着席しようとしたところ、
「21時ラストオーダーなので」
と断られ、時計を見ると21時1分。
「1分しか過ぎていませんが、駄目ですか?」
と聞いてみましたが駄目でした・・・(–;)
困惑した表情のオランダ人の同僚達には
「日本は規則に厳しいからネ(苦笑)」
と説明しましたが、日本人として非常に恥ずかしかったです。
たった1分・・・それにお店に入った時点ではまだ21時前だったはず。
何か事情があったのかもしれませんが
「折角来て頂いたのに申し訳ありませんねぇ」
といった言葉もなく。
ものすご~くイメージダウン&ガッカリでした(;-_-;)
多分私はもう行きませんxxx

その日はホテル近辺のレストランはどこも閉まっていて、 一日東京を歩き回った私達は疲れ果て、諦めてホテルのバーで食べることに。
食後はそのままバーで飲んで、カラオケもして、結局楽しい一時を過ごせました(*^-^*)

帰りの便も満席。
行きと帰りは同じワーキングポジションなのが普通ですが、
今回、尊敬する大先輩のFさんが、
「UDに入る新人の日本人CAと一緒に働いて、いろいろ教えてあげて欲しい」
とパーサーに希望を出され、
急遽UD(=2階のビジネスクラス)で働くことに。

私の新人訓練中お世話になったFさんとは本当にご縁があって、オランダベースになってからも度々ご一緒するのですが、
大先輩から新人の同僚の指導を頼まれ、緊張してしまって、離陸前からワイングラスを割ったり普段やらないミスをいろいろやらかしましたが、
どんなことが起こっても、慌てず、やるべきことを優先して、できることをできる限りやれば大丈夫(*^-^*)
・・・というお手本は見せられたかしら(笑)

日本人CA二人ならできるかと、
和食のサービスも、行きの便同様、会社指定のやり方とは違うやり方でやってしまったので、混乱させてしまったかな・・・と心配しましたが、
「misaeさんのサービスは”お客様目線”でのサービスですね」
とおっしゃって下さって、ちょっとホッとしています。
そんな風に考えたことはなかったのですが、そう言われてみれば、
自分が乗客だったらどうして欲しいか、というのが常に根本にあるので、確かにそうですネ。
彼女には、いろいろな人の異なったやり方を見て、沢山吸収して、そこから新たに”自分らしい”サービスを見出して欲しいな・・・と思っています。

(2本目の東京便のフライト日記、3本目の東京便の乗務に出る前に仕上げられるよう、頑張ります!)
(まだこのwordpressの編集ページの使い勝手がわからず、毎回今まで以上に時間がかかっています・・・なぜか急に文字のサイズが変わってしまって変更できなくなったりと苦戦中・・・(^^ゞ)
(リンクや写真は、とりあえず文章をアップしてから追加したいと思っていますので、もうしばらくお待ち下さいネ)